yoshidanobuo’s diaryー高校数学の“思考・判断・表現力”を磨こう!ー

「大学への数学」執筆者・吉田信夫の数学探求ブログ(共通テスト系問題の研究報告)

2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧

接しているとは??

接しているかどうかは,以前にも書いたように,接空間で理解すべきものです. 接するって,どういうこと? - yoshidanobuo’s diaryー高校数学の“思考・判断・表現力”を磨こう!ー 単位円ではx=1,y=1が接線になることは疑いようのないことです. 上半円にy=…

相似記号(∽)のような図形の式を作ってみた

∞シリーズはお楽しみいただけましたか? ∞を1つの式で表してみた - yoshidanobuo’s diaryー高校数学の“思考・判断・表現力”を磨こう!ー 今回は,∽のような曲線を1つの式で表す企画です.左は下半分,右は上半分(点線は気にしないでください).各xに対…

∞を1つの式で表してみた

真ん丸の眼鏡を最近買った私が,2円を合わせてできる∞を1つの式で表すという企画です.「∞は“眼鏡には無限の可能性がある”ことから作られた記号だよ」と説明すると,だいたいスゴイ空気になります(笑)さて,本題.あやしいのは,明らかに(1)です.複雑…

空間での直線に関する対称移動で,円を円にうつす!

移ったあとの円は(2,0,0)でx軸に接するそうです.その円の中心は??xy平面にあるとしたら,(2,1,0)または(2,-1,0)です.xy平面をxy平面に移す変換になるのは,lがxy平面と垂直,または,lがxy平面に含まれるときでした. 空間で直線に関する対称移動をし…

「数学する人生」岡潔著・森田真生編 ⑤ =岡潔がピカソを語っている=(岡本太郎のピカソ論と対照的?)

少しずつ岡潔ワールドの一部が見えてきたような,見えていないような.私の言語化プロジェクト(実際は備忘録)も5回目.そろそろ終わりかなと思いつつ,もう少しだけやらせてください. 「ピカソと無明」そんなタイトルの項がありました.岡崎でのピカソ展…

空間で直線に関する対称移動をしてみる

先日の,空間内での円の接線の話は,無事に解決しました! 接するって,どういうこと? - yoshidanobuo’s diaryー高校数学の“思考・判断・表現力”を磨こう!ー 接する系の話もまた書くとして,今回は,対称移動を空間でやってみる話です. ●平行●例えば,l…

接するって,どういうこと?

自信満々ではないですが,2),3)は接していないと思います.曲線と曲線が接するというのは,(微分できるという前提のもとでは)共有点で速度ベクトルを共有している状況であると思うのです.(多様体での接空間も,多様体の次元と同じだったはず) だか…

「数学する人生」岡潔著・森田真生編 ④ =岡潔と仏教=

読み込んで少し岡ワールドが見えてきたような気がするのですが,たぶん勘違いなのでしょう(笑)天才が何十年もかかって到達した「数学は情緒」ですから.私の理解を深めるための言語化プロジェクト.備忘録みたいなものですが,公開するつもりでないと書か…

空間内でのちょっと変わった方程式を考えてみました②

空間内でのちょっと変わった方程式を考えてみました - yoshidanobuo’s diaryー高校数学の“思考・判断・表現力”を磨こう!ー 前回の円について |x^2+y^2+z^2-1|+|x+y+z|=0という書き方も可能,と友人からメッセージをもらいました.確かに! 今回は最初から()…

「数学する人生」岡潔著・森田真生編 ③ =“分かる”とはどういうことか=

「数学は情緒」で有名な岡潔についての本.さっぱり分からないところを飛ばしつつ(笑),2周目の途中.特に気になったところを,自分の言葉にして理解を深めようとしています.今回が3回目.何回続くか? 本当に「分かる」とはどういうことか? 例えば,…

空間内でのちょっと変わった方程式を考えてみました

空間内で1つの方程式で表されると・・・ x^2+y^2+z^2=1 …球面 x+y+z+1=0 …平面 x^2+y^2=1 …円柱と,曲面になります.3次元内で1つの式は,曲面.2つを連立すると,曲線. x=y=z …直線は,原点を通り,(1,1,1)方向の直線です.これは 平面x=y と 平面y=z…

「数学する人生」岡潔著・森田真生編 ② =数学をやる理由=

「数学は情緒」で有名な岡潔についての本.一回読んだだけでは,やっぱりあまりよく分からない(笑)言葉にする方が理解が進むと思い,私が感じたことをブログに書いています.何回になるか分からないですけど,今回が2回目です. 自分にとってはよく分から…

「数学する人生」岡潔著・森田真生編 ①

「数学は情緒」で有名な岡潔.その「最終講義」「留学時の話」「エッセイ」などを集めた本で,森田さんの解釈が分かりやすいですが・・・一回読んだだけでは,やっぱりあまりよく分からない(笑) 言葉にする方が理解が進むと思い,私が感じたことをブログに…

「3が偶数ならば,2は奇数?2は偶数? どっちが“真”?」

偽なのは, 2が偶数ならば,2は奇数である の1つだけ! 何ででしょう? 高校数学では扱わない部分ですが,踏み込んでみましょう! いきなり結論ですが ************ 命題p,qについて,「p→q」が“真”になるのは p,qがともに“真” また…

どんな変数に関する条件になっていますか? -数学の答案の書き方について-

何となく解けているだけになっている人,けっこう多いかも知れませんよ. では,行間をすべて細かく見ていくことにしましょう. まず,本問は,実数aについての条件: 「y=x^2に(0, a)から2本の接線を引ける」‥‥(*) を「aの範囲」に書きなおす問題です…

よくある!? 同値記号の誤用 ―数学の答案の書き方について―

kに関する条件p(k)は,kに数値を代入するごとに命題になり,真偽が決まるのでした. p(1)は真,p(2)は偽,・・・ という感じです.ある日本語を条件に付け足すと,命題に変わります. 1つ目: すべてのkについてp(k)が成り立つ 2つ目: p(k)を満たすkが存…

「から」じゃないですから!② ―数学の答案の書き方について―

私が書くなら,次のようにします. 【解】(t,t^2)[ を接点とすると接線は ・ における接線は ] y=2tx-t^2 …① (0,a)を通る[ 条件は ・ から ] a=-t^2 …② ②が異なる2つの実数解をもつ[ 条件は ・ から ] a<0 ■ ですね. 2本の接線が存在する条件は,接…

「から」じゃないですから! ~数学答案の書き方について~

「~の条件を求めよ」というタイプの問題で, ~であるから,●●である. という書き方をしてある解答を目にすることがあります. ~であることが分かっているときに何かを考えたいなら,「~であるから」で良いでしょう.あるいは, ~ならば●● を示したいと…

「極限での等号」とは?

※本記事はあくまで私見です. これに反した記述を批判する意図はございません! ①はダメだと思うんです.②のように書くと,ギリギリセーフかな?と思います. ③は教科書にある表現ですが,ちょっと気持ち悪い・・・③’が良いと思いませんか? 収束するときは…

収束するものの積は,極限値の積に収束する

※下から2つ目の答え,1ではなく,2です.スミマセン・・・質問に答えるなら・・・論点を変更するのが一番楽ですね. でもそれだけで終わるともったいない! 【回答例】***** 収束するものの積は,極限値の積に収束する を使っているんじゃないんだ!…

4次関数の平方完成 -微分による解釈-

4次関数で平方完成して, (2次式)^2+(1次式) という形にできることを紹介しました.その際,最後に残る1次式は, y=(1次式) という直線を作ると,4次関数のグラフに2点で接する接線になるのでした.ただし,(2次式)=0が異なる2つの実数解をもつ…

2>1⇔3>2 なんて書いちゃいませんか?

2重線の「⇒」は,「命題」を作る記号.1重線の「→」は,高校教科書には登場しないですが,前後に「命題」や「条件」と伴って「ならば」を表すものです. この点をちょっと説明します. 適当な集合Aを全体集合として,「条件」の p(x)→q(x) (p(x)ならばq(x…

4次関数で平方完成を敢行!何が得られる?

先日は,失礼しました.接線と見せかけて,実は接していないという・・・ 今回は,解と係数の関係ではなく,平方完成で y=(x-α)^2×(x-β)^2+px+q の形を作ってみました. 幸い,αとβを解にもつ2次方程式で,判別式は正になるようです.ということは・・・…

必要十分条件,本当の意味が分かっている人は限りなく少ないのかも・・・

条件 p(x) は,x に代入するごとに命題(真偽が決まる)になるものでしたね. 命題p(0)は真,命題p(π)は偽 という具合に. p(x)→q(x) は,x に何か代入しないと真偽が決まらないので,「条件」. 任意の x について「p(x)→q(x)」 とすると,「命題」になるの…

何でそうなるんだ??だから英語はキライ(笑)

さて今回は,アホがバレてしまいそうですが,無知の知ということでご容赦ください. minute は時間の長さの単位.どうやら,「11時21分」という「分」を minute で表すのではないようです.1時間と言ったら,時間の長さの感じがします.1分間と言ったら,…

収束しないことを発散と言う!極限があるときは・・・

重箱の隅が大好物(笑)今回も隅っこの方をつついていきます! 極限とは?無限数列において,十分大きい番号nの項に限定して,その挙動を考えること.「十分大きい番号で常に●●が成り立つ」というのが極限の原則でした.“十分大きい”ももちろん大事ですが,…

イプシロンは卒業!攻めの収束! ②

ちょっと前の記事の続きです. イプシロンは卒業! “攻め”の収束! - yoshidanobuo’s diary 何かキッカケがあると,急に世界が開けることってありますね.数学をやる楽しみの1つです.常に嗅覚を敏感にしておきたいですね. ********* 数列{a_n}が…

接線と思ったでしょ? 違いますよ!

例えば,y=x^2-3x+1において,-3x+1の部分を取り出した直線 y=-3x+1 は,どんな直線でしょう? y=x^2-3x+1と連立すると x^2-3x+1=-3x+1 という2次方程式が得られ,これは x^2=0 ∴ x=0(重解) です.図形的には,どういう意味でしょう? そう,x=0で…

白銀比三角形を見ていて気付いたこと(大したことない)

黄金比は有名ですね.正五角形で,辺に対する対角線の長さの比で,x=(1+√5)/2.1,x,xの二等辺三角形を作ると,頂角は36°です. では,白銀比だと?コピー用紙の短い辺に対する長い辺の長さの比.B4を横に置いてタテ1,ヨコ x とおくと,半分にしたらB…

「同じ」は「違う」?

逆数をとるので,怪しいのは,a_6=0 になること. 最初から数が並んでいて,逆数をとったものの極限では,数列の項を「十分大きい n でのみ」考えるから,1 / a_6 が存在していなくても,1 / a_7 は存在しており,何事もなかったかのように極限を考えること…