偽なのは,
2が偶数ならば,2は奇数である
の1つだけ!
何ででしょう?
高校数学では扱わない部分ですが,踏み込んでみましょう!
いきなり結論ですが
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命題p,qについて,「p→q」が“真”になるのは
p,qがともに“真” または pが“偽”
のときです.
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ピンときにくいかも知れませんから少し説明.
「p→q」が“偽”になるのが
pが“真” かつ qが“偽”
のときと分かってもらえたら,この「否定」を考えると良いでしょう.
「p→q」が“真”は
「pが“真” かつ qが“偽”」でない
は,
「pが“真”でない」 または 「qが“偽”でない」
と言い換えられ,
「pが“偽”」 または 「qが“真”」
となります.
まとめると,「p→q」が“真”は
「pが“偽”」 または 「qが“真”」
で,それは
p:真,q:真 …真
p:真,q:偽 …偽
p:偽,q:真 …真
p:偽,q:偽 …真
ということ.
p,qがともに“真” または pが“偽”
と整理できます.
ということで,
命題「3が偶数ならば,○○○」
に話を戻しましょう.
命題「3が偶数」が“偽”だから,命題「○○○」の真偽によらず,
命題「3が偶数ならば,○○○」
は,必ず“真”です.だから,
3が偶数ならば,2は奇数
3が偶数ならば,2は偶数
のどちらも,命題としては“真”です.
じゃあ,
2は奇数なの??
そういう意味じゃないですよ!
「p→q」が真
から「qが真」は導かれません!
「p→q」が真 かつ pが真
が分かって初めて「qが真」を導くことができます.
「ならば」の命題の真偽から,その前後の命題の真偽は1つには確定しないのですね.
もちろん,
2が奇数ならば,2は偶数である
という命題も,全体としては“真”ですね.
2が偶数ならば,2は奇数
だけは,
2が偶数…真
2は奇数…偽
だから,全体として「偽」です.
ちょっとややこしかったですかね.
高校数学でおろそかになっているけれど大事な部分なので,よく理解しておいてもらえたら良いと思います.
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