数学における認知の個人差・多様性というものについて考えました.
真実は1つですが,それにみんなが到達しているのではなく,その途中にあるのだと思います.
『2次不等式x^2-3x+2<0を解くと1<x<2』の
真実は1つですが,それにみんなが到達しているのではなく,その途中にあるのだと思います.
『2次不等式x^2-3x+2<0を解くと1<x<2』の
1<x<2…①
にどんな意味を与えていますか?
1.そう答えるもの
2.元の式の数xは①を満たす
3.xに代入して元の式を成り立たせる数は,①を満たす数
4.{x|1<x<2}の略記,開区間(1,2)
5.適宜選択
「数学の認知は,けっこう個人差・多様性があるのではないか?」と思いました.
それは間違いありませんが,学習段階などにより,この認知であるからアホだ,とか言うものではありません.
初学時には,鵜呑みにすることもあるでしょう.
意味を考えるようになって,正しいと自分で判断するようにもなるでしょう.
認知が揺らぐときにも出会うし,何かを通じて「確信」を持つこともある.
その確信を主張し過ぎたら,人に悪影響を与えるかも知れない.
真実は一つかも知れないが,人がそれを知ることができるかどうかは分からない.
数学についてのすべての認知が一致している他人はおそらく居ない.
最終的には,認知の違いを超えてすべてを許容するようになれたら良いな.
数学愛って,こういうことかもな,と思いました.
日々の学びに感謝します.
さらに感謝なことに,論理の専門家から,ご意見をいただきました.
これまでの私の主張は,認知4にもとづき,集合ありきですべてを議論したものです.
集合と条件を明確に分断すべきである,
だから,「かつ」でなく「共通部分」とすべきだ,
だから,「かつ」表記は誤りだ,
という主張.
しかし,6の認知により,集合と条件を同一視することにしたから,私の主張は覆りました.
条件としてより根元的な「1<xかつx<2」の方が正確な表現ということになります.
条件と集合の分断が大事なのではなく,意味の区別が明確にできることが一番大事なことでした.
式だけでなく,しっかり言葉を添えて書こう,と思いました.
[まとめ]
集合{x | 1<x ⋀ x<2 }を条件表示した,
集合1<x ⋀ x<2を略記した,
集合1<x<2
というのが,6の見方.
4に執着した見方(昨日までの私)が,
区間としての(1,2)が解としてあって,
それを条件で略記したのが,解としての区間1<x<2であって,
それを「かつ」で分けるなら(1,∞)∩(-∞,2)であって,
区間「1<x ⋀ x<2」ではない.
「区間1<xと区間x<2」の共通部分である.
大人がもがく姿は,子どもの真の学びの助けになるだろうと思い,恥を忍んで書いてみました.