yoshidanobuo’s diaryー高校数学の“思考・判断・表現力”を磨こう!ー

「大学への数学」執筆者・吉田信夫の数学探求ブログ(共通テスト系問題の研究報告)

「1<x<2」が正解のときに「1<xかつx<2」と答えたら3点満点の何点?

最近,Twitterをやるようになりました.

【2次不等式の基本的な計算問題】「1<x<2」が正解のときに「1<xかつx<2」と答えたら3点満点の何点?

というお題でアンケートされている方がいました.

難しい質問だなぁ,と思いました.

1  ≦𝑥⁴<16の解を「1≦|x|<2」と書いてしまう私ですが,Twitterに自分が書いたことによると「-2<x≦-1, 1≦x<2」じゃないと解とは言えないことになります.
範囲を明示した条件のみが,「その条件を満たすxの集まり」と書くことの代用品と認められているからです.
ちなみに,いまの書き方での「,」は,「条件-2<x≦-1または1≦x<2を満たすxの集まり」を表し,「または」に対応する.
集合(区間,範囲)としては「(-2,-1]と[1,2)を合わせた区間(和集合)」を表し,「と」に対応する.
(「区間-2<x≦-1と区間1≦x<2の和集合」と日本語では書けても,-2<x≦-1∪1≦x<2はダメでしょうね)
1つの式x>3が,
条件だったり,
解を表すものだったり,
範囲を表すものだったり,
数として実在するが3より大きいという事実を述べているものだったり,
してしまいます.
論理を重んじて主観を排するはずの数学が,実は,決めつけと忖度・曖昧さに満ちているのですね.
理系的な空気の読み方を強要されると,意味を重んじる文系派の人が困ってしまう.
(逆もしかり?)
式は便利だけど,日本語を添えずに式だけ書かれたら解釈が分かれる可能性がある.