何となく解けているだけになっている人,けっこう多いかも知れませんよ.
では,行間をすべて細かく見ていくことにしましょう.
まず,本問は,実数aについての条件:
「y=x^2に(0, a)から2本の接線を引ける」‥‥(*)
を「aの範囲」に書きなおす問題です.
論理構造をしっかり見ていきましょう.
(*)は
「y=x^2の接線で(0, a)を通るものが2本存在する」‥‥(*)
と言い換えらえれます.
この前半部分
「y=x^2の接線lが(0, a)を通る」‥‥(#)
は,集合{y=x^2の接線l}と集合{実数a}を全体集合として,接線lと実数aに関する条件です.
そして,(*)は,
「条件(#)を満たすlが2個存在する」
になります.
(#)で変数だったlは,「2個存在するか?」と考えられる対象となり,この時点で変数ではなくなります.
だから,(*)はaのみに関する条件です.
次に,接線lの話だったのが,tの話に変わった部分を考えます.
接線lがy=x^2に接する点を(t,t^2)とおきます.
つまり,
f:{y=x^2の接線}→{実数}
f(l)=t(ただし,tは接点のx座標)
という関数(写像)を考えると,接線全体の集合と実数全体の集合の間に,対応をつくることができます.
l:y=2tx-t^2
です.
これにより,接線lと実数aに関する条件(#)を,実数t,aに関する条件
「a=-t^2」‥‥(%)
に書き換えることができます.
ここからは上記と同様です.
「(%)を満たすtが2個存在する」‥‥(*)’
を考える時点で,tは変数でなくなり,(*)’は,aの条件になっています.
こう考えると,この解答はかなり高度な内容ですね!
本当にちゃんと分かっていましたか??