「数学は情緒」で有名な岡潔についての本.
一回読んだだけでは,やっぱりあまりよく分からない(笑)
言葉にする方が理解が進むと思い,私が感じたことをブログに書いています.
何回になるか分からないですけど,今回が2回目です.
自分にとってはよく分からない,ギリシアに起源のある西洋文化だから,数学をやっていた!?
岡潔が「なぜ数学をやるのか?」に答えているところがありますが,そこが面白い.
要約すると「西洋のものはよく分からんから」ということのよう(笑)
松尾芭蕉を日本の情緒をもっともよく理解して表現した人と評価している岡潔は,俳句も好きだったようで,多くの解説を書いているようです(はい,私には,さっぱり分かりません!).
日本,もっというと東洋の情緒に通じることは非常に容易で,日本のことを勉強して理解できたときに『何だ、このことだったのか、それなら始めからよく知っていたのに。早くそう言ってくれれば良いのに。』という気になるそう.
『すでに知り抜いているということをまた勉強するばかはない』
一方で西洋は違う.
『西洋のものはいくらやっても、やったところまでしかわからない。』
『これがたぶんそのために数学をやったのだろうと思うほんとうの理由と思うのです。』
何とも興味深い.
道元禅師は『魚に魚がわかり、コウモリにコウモリがわかるように、スミレにスミレがわかるのだ』と言っているそう.
どちらも情緒だけれど,西洋のラテン文化はレンゲで,日本・東洋文化がスミレみたいなもの.
芥川の言葉を借りると『ギリシアは、東洋の永遠の敵である。しかしまたしても心がひかれる』だそう.
写真は我が家にある西洋の品.
古代ギリシャの金のイヤリングに,古代ローマのフレスコの残欠,サイコロ,ゲームの駒,アストラガルス.
👉
2000年前のサイコロとは? - yoshidanobuo’s diaryー高校数学の“思考・判断・表現力”を磨こう!ー
私は,日本刀や考古遺物を中心として,古美術にとても惹かれます.
その理由の1つは,分からないから.
美しさという言葉にならないものを感じながら,悠久のときが物質に及ぼした影響に思いをはせ,風化していく過程として切り取られた「いま」のモノが私の目の前にある.
そういうのが魅力なのですよね.
「西洋の科学は大自然のことが分かっとらん」と岡潔は主張しますが,古美術に対する西洋人の態度にもそのような様子が現れています.
モノを買うときには,時代を保証するエビデンスを求めるのだとか.
有機物ならC14による年代測定.
焼き物などは,熱ルミネッセンスといいう方法(鉱物に高温を加えると,それまでに蓄積された宇宙線・放射線がリセットされるそうで,蓄積線量から最後に高温が加えられた時期を特定する方法).
素材の組成を調べるには,蛍光X線.
科学的エビデンスのために,古美術品に穴を開けて資料を採取することが平気な人たち.
日本の陶磁器学者さんも同じような研究立場だそうです.
そんな話を聞くと,何だかなぁ,と思ってしまいます.
西洋と東洋.
違う情緒,違う木の葉.
そんな気がします.
私は岡潔と気が合うかも(笑)
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