yoshidanobuo’s diaryー高校数学の“思考・判断・表現力”を磨こう!ー

「大学への数学」執筆者・吉田信夫の数学探求ブログ(共通テスト系問題の研究報告)

2000年前のサイコロとは?

いつもがっつり数学ですが,今回は,ちょっと数学に絡むけれど,ほぼ雑談のような内容です.

唐突ですが,いまから2000年ほど前,古代ローマギリシャの時代には,6面体サイコロが存在していたのをご存じですか?


動物の骨・角だったり,ガラスだったり,青銅だったり,色んな素材で作られています(その写真は記事の最後に).

 

6面体のサイコロとは別に,アストラガルス(複数形はアストラガロイ・トーラス,トーライの関係に似ていますね,ラテン語だからかな?)というものがあります.
これを知っていたら,かなりのマニアさんです.
もとは「動物のくるぶしの骨」という意味の言葉らしいです.

羊などのくるぶしの骨が四角柱のような形をしていて,それを転がして乱数を発生させていたようです.

各根元事象は,どう見ても「同様に確からしい」ではないですね(笑)

 

元々は骨だったのですが,色んな素材で作られるようになります.

サイコロと同じです.

 

最近ゲットしたのが,ガラス製のアストラガルス.

光をかざすと黄色っぽいことが分かります.

その表面が化学変化して,様々な色の層ができています.

そのような変化を「銀化」と呼びます.

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2000年のときを経て,美しく経年変化しています.
当時は,これを転がして子供たちが遊んでいたのでしょうね.

と言いつつ,大人も儀式やギャンブルなどで使っていたようです.
いくつかのアストラガロイを駆使していたのでしょう.
そういえば,この時代のサイコロにも,いかさまの細工がされているものがあるみたいです.

 

ほんとうに唐突ですが・・・

古代ギリシャと言えば,ユークリッド(ローマじゃない).

「原論」を始めるなら,拙著はなかなかオススメですよ.

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では,お待ちかねの古代ローマのサイコロ.

 

大きい方が角製のサイコロ.
小さい方は,青銅製のサイコロもどき(全面5の目).

分銅か,ゲームの駒か,そんな感じのものです.

いずれも,古代ローマ独特の同心円模様が可愛いですね.

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