4次関数で平方完成して,
(2次式)^2+(1次式)
という形にできることを紹介しました.
その際,最後に残る1次式は,
y=(1次式)
という直線を作ると,4次関数のグラフに2点で接する接線になるのでした.
ただし,(2次式)=0が異なる2つの実数解をもつときだけですが.
“2か所接線”でないときにも,この直線の傾きにはある意味があります.
「4次関数のちょうど真ん中」
における接線と同じ傾きになるようです.
ちょうど真ん中って?
4次関数f(x)を微分すると3次関数f'(x)で,その符号変化から,f(x)の増減が分かります.
もう一度微分すると2次関数f''(x)で,その符号変化から,f(x)の凹凸が分かります.
さらに微分すると,1次関数で・・・
2次関数f''(x)の増減(グラフの頂点)
3次関数f'(x)の凹凸(グラフの変曲点)
が分かります.
元の4次関数で,この点がどう呼ばれるのかは・・・高校数学では表現されないので,とりあえず「4次関数のちょうど真ん中」と表現することにしました.
上の例で言うと,x=-1/2 がちょうど真ん中です.
“2か所接線”が存在するとき,それは「ちょうど真ん中」での接線と平行になるのですね.
元に戻って,4次関数を平方完成して
f(x)=(2次式)^2+(1次式)
としたとき,直線y=(1次式)は,(2次式)=0での
D>0のとき,“2か所接線”
D=0のとき,“ちょうど真ん中の点における接線”
D<0のとき,“ちょうど真ん中の点における接線と平行な何らかの直線”
ということになります.
紫‥‥y=(x^2-2)^2+2x
青‥‥y=(x^2)^2+2x
緑‥‥y=(x^2+1)^2+2x