逆数をとるので,怪しいのは,a_6=0 になること.
最初から数が並んでいて,逆数をとったものの極限では,数列の項を「十分大きい n でのみ」考えるから,1 / a_6 が存在していなくても,1 / a_7 は存在しており,何事もなかったかのように極限を考えることができそうです.
εを使った収束の定義を考えたら,より明確になりますね.
では,{b_n}を漸化式で定義すると,どうなるでしょうか?
b_1=1 / 5
b_2=1 / 4
b_3=1 / 3
b_4=1 / 2
b_5=1
b_6=‥‥ 1 / 0 ☜こんなもの存在しない
b_7=(存在しない)/{1-(存在しない)} ☜こんなもの存在しない
b_8=(存在しない)/{1-(存在しない)} ☜こんなもの存在しない
‥‥‥
これ以降も存在しないようです.
数が並ばないのに,極限を考えることはできないですね・・・
a_n→α(極限値α≠0)のとき,1 / a_n→1 / α
は,途中に 1 / a_n が定義されない n があっても問題なさそうです.
だって,それ以降も数が存在しますから.
(εの論法により,ある番号以降にa_n=0となる項は存在しないことが分かる!)
でも・・・
上のように,直接{b_n}を定義すると,途中から数が並ばなくなって,極限を考える対象にならない.
こわいですねぇ.
これの答えを 0 にする人,多いんじゃないですかね?
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