条件 p(x) は,x に代入するごとに命題(真偽が決まる)になるものでしたね.
命題p(0)は真,命題p(π)は偽
という具合に.
p(x)→q(x)
は,x に何か代入しないと真偽が決まらないので,「条件」.
任意の x について「p(x)→q(x)」
とすると,「命題」になるのですね.
この「命題」が真のときに,高校数学では,「条件:p(x)→q(x)」が真,と言うローカルルールがあります.
このローカルルールしか知らない人がほとんどなのですけどね.
しかし,代入できる x の範囲を決めておかないと,意味をなさないのでした.
そこを突いたのが,今回の問題.
集合Aの要素についての条件を考えましょう.
x∈Aについて,p(x)→q(x)
が真になるのは,
P={a∈A|p(a)が真},Q={a∈A|q(a)が真}
というAの部分集合について
P⊂Q
が成り立つとき.
集合Aの要素についての条件p(x)がq(x)の必要十分条件になるのは,Aの部分集合として
P=Q
となるときです.
ちなみに,2つの集合S,Tについて,2つの集合が一致(S=T)とは,
S⊂T かつ T⊂S
が成り立つことを言います.
ということで,
⓪ P:偶数全体の集合,Q:4の倍数全体の集合 P⊃Q
① P:偶数全体の集合,Q:4の倍数全体の集合 P⊃Q
② P:偶数全体の集合,Q:4の倍数全体の集合 P⊃Q
③ P=∅,Q=∅ P=Q ∴適
④ P:4の倍数全体の集合,Q:4の倍数全体の集合 P=Q ∴適
⑤ P:偶数全体の集合,Q:4の倍数全体の集合 P⊃Q
⑥ P=∅,Q=∅ P=Q ∴適
となります.
③,⑥を自信満々で選べる高校生はどれくらい居るでしょうか?
(私の教え子たちは,選べるようになりました!)
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