yoshidanobuo’s diaryー高校数学の“思考・判断・表現力”を磨こう!ー

「大学への数学」執筆者・吉田信夫の数学探求ブログ(共通テスト系問題の研究報告)

色んな図形を1つの方程式で表す快感②

私の十八番,悪ノリです.

y=x^2(0≦x≦1)を1つの方程式で表そう!

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1)√を利用して

  y=x-(√{x(1-x)})^2

→ルートを2乗するとx(1-x)になるので,y=x^2と同じ式.
 でも,ルートが定義されるxしか考えられないので,0≦x≦1です!
 ちょっとズルい?

2)絶対値を利用して

  |y-x^2|+||x|-x|+||x-1|+x-1|=0

2つ目と3つ目の項では,| |の中の符号が違います!

  |a|-a=0 ⇔ a≧0

  |a|+a=0 ⇔ a≦0

を使っています.

  y-x^2=0 かつ |x|-x=0 かつ |x-1|+x-1=0

の2つ目から x≧0 ,3つ目から x≦1 が得られます!


もう1つ,対数も使ってみましょう!

  log (x-y)=log x+log (1-x)

は何を表しているでしょう?

安易に

  log (x-y)=log x(1-x)

  x-y=x(1-x)

 ∴ y=x^2

という方程式を作るだけでは不十分!
与えられた形での対数が定義される条件をちゃんと考えましょう!

  x-y>0 かつ x>0 かつ 1-x>0

 ∴ y<x かつ 0<x<1

結局,

  y=x^2 かつ y<x かつ 0<x<1

で,「y=x^2 かつ y<x」は

  y=x^2 かつ x^2<x

 ∴ y=x^2 かつ 0<x<1

と同値です.
だから,

  y=x^2 かつ y<x かつ 0<x<1

  「y=x^2 かつ 0<x<1」 かつ 0<x<1

 ∴ y=x^2 かつ 0<x<1

を表していますね!

ついでに・・・上の2)で真ん中を少し変更した

  |y-x^2|+||x|/x-1|+||x-1|+x-1|=0

は,何を表していますか?

  y=x^2 (0<x≦1)

ですね!!

やっぱり,こういう工夫は楽しい!
もう,何でも表せそうな気がしてきました(笑)

変な問題をたくさん集めた問題集.
まともな勉強に飽きた人にはオススメです.
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色んな図形を1つの方程式で表す快感①

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y=x^2(x≧0)を表すのに,

1)「0以上」が定義域・値域になる√を利用して

  x=√y

2)「0以上」だけで成り立つ|x|=xを利用して

  |y-x^2|+||x|-x|=0
を紹介しました。.

2)では,| |≧0だから,

  y-x^2=0 かつ |x|-x=0

つまり

  y=x^2 かつ |x|=x

としています.
さらに,|x|=xとなる条件が「x≧0」であることを利用して

  y=x^2 かつ x≧0

と書き表したのです!カッコイイ!

このように,式の意味に不等式が含まれるようなものがあります!

平方根 √ や絶対値 | | 以外には・・・


y=x^2(x>0)を表すのには,対数 log を使いました!

  log_2 x

とあれば,x>0が前提になるのですね!
だから,

  log_2 y=2log_2 x

は,x>0 かつ y>0 が前提で,

  log_2 y=log_2 (x^2)

からy=x^2(x>0)を表せているのです.

実は,もう1つ,式だけで条件を課すことができるものがあります.
それは・・・

  分数

です!

y=x^2(x>0)は

  y=x^2(x≧0) かつ x≠0

と考えることができます!

  ● / x

という形があれば,自動的に「x≠0」が課されるので,上の1)を応用したら

  1=(√y) / x

で表せるし,2)を応用すると

  |y-x^2|+||x|/x-1|=0

などで表せますね!


こういう工夫は楽しい!

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n倍角の公式を表す多項式(チェビシェフの多項式)の係数の秘密⑦

チェビシェフシリーズ,最終章です!

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角度が整数で,コサインが有理数になるのって,どんなとき?
なかなか深いテーマです.
これを扱うために,何回もチェビシェフの多項式について述べてきました.
集大成!

[結論]
0°~180°では,コサインが有理数になる整数の角度は

  θ=0°,60°,90°,120°,180°


こんなこと,どうやったら示せるんでしょう?

ちょっと下準備から.


係数が整数の多項式f(x)において最高次の係数が1であるとします.

  f(α)=0となる有理数αが存在したら,それは「整数」

となること,ご存じですか?

[証明]
  α=p/q(p,qは互いに素な整数で,q>0)👈既約分数の形

がf(x)=0の解であるとき,

  (p/q)^n+a(p/q)^(n-1)+‥+b=0

が成り立って,分母を払うと

  p^n+ap^(n-1)q+‥+bq^n=0

q=1を示したいので・・・

p^n以外をすべて移項すると

  p^n=q{ap^(n-1)q+‥+bq^(n-1)}

となって,右辺の整数はqの倍数.
よって,左辺の整数p^nもqの倍数だが,pとqは互いに素だから,q=1しかありえない!
つまり,αは整数である.

(証明おわり)


最高次の係数が1であるような,整数係数の多項式は,かなり特殊なのですね.
実数解は,整数でなければ,無理数となるのですから!


  2cos(nθ)=(2cosθ)^n+(係数が整数の2cosθの多項式)

において,2cosθ=xとおくと,右辺は

  x^n+(係数が整数のxの多項式)

と表せます.
最高次の係数が,何と,1ですね!


さて,角度が整数であるとは,どういうことでしょう?
1°は弧度法でπ/180です.
整数の角度は,πの有理数倍になっているので,適当な整数をかけると,2πの整数倍です.

θが整数°であるとします.
すると,nθが360°の何倍かになるような自然数nが存在し,cos nθ=1です.
ということは,

  2cos(nθ)=2

 ∴ (2cosθ)^n+(係数が整数の2cosθの多項式)=2

ですから,

2cosθ=xとおくと,

  x^n+(係数が整数のxの多項式)-2=0

となるのです.

xが有理数になることはあるのでしょうか?

もしあれば,最初に述べたように,xは,何と,「整数」です!

まとめます.

θが整数°であるとし,cosθが有理数であるとしたら,


  2cosθが整数

ということが確定します!

-2≦2cos θ≦2だから,

  2cosθ=-2,-1,0,1,2

 ∴ cosθ=-1,-1/2,0,1/2,1

しかありえないことが分かるのです!

だから,0°~180°では,コサインが有理数になる整数の角度は

  θ=0°,60°,90°,120°,180°

に限定されます!

sinθ=cos(90°-θ)だから,サインが有理数になる整数の角度が

  θ=0°,30°,90°,150°,180°

しかないことも分かりますね!

なかなかすごくないですか?
長らくのお付き合い,有難うございました.
また新シリーズを考えますので,よろしくお願いします.

 

 

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n倍角の公式を表す多項式(チェビシェフの多項式)の係数の秘密⑥

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6倍角の公式の元になるチェビシェフの多項式

  T_6(x)=32x^6-48x^4+18x^2-1

でした.つまり,

  cos(6θ)=32(cosθ)^6-48(cosθ)^4+18(cosθ)^2-1
  
となるわけです.2倍することで

  2cos(6θ)=(2cosθ)^6-6(2cosθ)^4+9(2cosθ)^2-2

となり,ちょっと嬉しいのでした.

  z=cosθ+i sinθ

  z+z^(-1)=2cosθ

を利用した導き方が,僕はお気に入りです.
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n倍角の公式を表す多項式(チェビシェフの多項式)の係数の秘密⑤ - yoshidanobuo’s diaryー高校数学の“思考・判断・表現力”を磨こう!ー


 

ここで,

  6θ=2mπ (m=0,1,2,3,4,5)

となるθについて,

  cos(6θ)=1

 ∴ (2cosθ)^6-6(2cosθ)^4+9(2cosθ)^2-4=0

です.

2cosθ=tとおくと

  t^6-6t^4+9t^2-4=0

  (t-2)(t+2)(t-1)^2(t+1)^2=0

因数分解できます.
実際,

   θ=mπ/3 (m=0,1,2,3,4,5)

なので,順に

  2cosθ=2,1,-1,-2,-1,1

です.確かに,t=2,1,-1,-2,-1,1が解です!

度数法で書くと

  cos 0°=1,cos 60°=cos 300°=1/2,

  cos 120°=cos 240°=-1/2,cos 180°=-1

で,角度が整数で,コサインの値がすべて有理数になっていますね!

これ以外に,角度が整数で,コサインが有理数になることって,あるのですかね?

  cos 90°=cos 270°=0

もありますが・・・

実は,これだけしかありません!

  2cos(nθ)=(2cosθ)^n+(係数が整数の2cosθの多項式)

となることから分かるのですけど,いかがでしょう?
詳細は,また次の機会に.

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n倍角の公式を表す多項式(チェビシェフの多項式)の係数の秘密⑤

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チェビシェフの多項式T_n(x)は,

 x^k (k≧2)の項の係数は,2^(k-1)の倍数になる

のでした!
漸化式を用いて数学的帰納法で証明しましたが,別の方法も考えてみましょう.

ここで,複素数が再登場です!

  T_6(x)=32x^6-48x^4+18x^2-1

を別ルートから考えます.

  z^6+z^(-6)=(z+z^(-1))^6-6(z+z^(-1))^4+9(z+z^(-1))^2-2

と計算できたのですが・・・zに何を代入しましょうか?

  z=cosθ+i sinθ

ではどうでしょう?

  z^(-1)=(zの共役複素数)=cosθ-i sinθ

 ∴ z+z^(-1)=2cosθ

であり,

  z^6=cos(6θ)+i sin(6θ)

  z^(-6)=cos(6θ)-i sin(6θ)

 ∴ z^6+z^(-6)=2cos(6θ)

です.
ということは,

  2cos(6θ)=(2cosθ)^6-6(2cosθ)^4+9(2cosθ)^2-2

となるのですね!

この状態での右辺は,(cosθ)^kの係数は2^kの倍数です!
両辺を2で割ると,T_6において,

 x^k (k≧2)の項の係数は,2^(k-1)の倍数になる

と分かるのです.


ということで,一般的に言っておきます.
対称式の性質として,

  z^n+z^(-n)

は,z+z^(-1),z×z^(-1)の多項式として表せます.
z×z^(-1)=1であるから,z+z^(-1)の多項式として表せるのです!
帰納法で示せます)


だから,z=cosθ+i sinθを代入することで,z+z^(-1)=2cosθより

  2T_n(cosθ)=f(2cosθ) 👈f(x)は係数が整数のn次式

となります.
よって,T_nにおいて,

 x^k (k≧2)の項の係数は,2^(k-1)の倍数になる

と分かるのですね.


これで,かなりスゴイことを示す準備が揃いました!
乞うご期待.

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n倍角の公式を表す多項式(チェビシェフの多項式)の係数の秘密④

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チェビシェフの多項式T_n(x)は,2次以上の部分は,すべて係数が偶数になっているのですね!
ただし,ここに書かれているのはn≦6だけですから,n≧7でもそうなっているのかは分からない!
この法則は,本当にずっと続くのでしょうか?

さて,以下,T_n(x)を略してT_nと書きます.

  T_7=2x×T_6-T_5

において,2x×T_6は係数がすべて偶数になります.
また,T_5のx^2以上の項も係数がすべて偶数です.
よって,T_7も,x^2以上の項は係数がすべて偶数です!
これがずっと続くことは,数学的帰納法で証明できそうです!

もう少し詳しく見ていきましょう!

 T_nにおいて,x^k (k≧2)の項の係数は,2^(k-1)の倍数になるのではないか?

です.

  T_5=(2^4)×x^5-10×(2^2)×x^3+5x

  T_6=(2^5)×x^6-6×(2^3)×x^4+9×(2)×x-1

なので,

  T_7=2x{(2^5)×x^6-6×(2^3)×x^4+9×(2)×x-1}

     -{(2^4)×x^5-10×(2^2)×x^3+5x}

です.
x^k (k≧2)の項の係数は,2^(k-1)の倍数になりますね!
これがずっと続くことは,数学的帰納法で証明できそうです!

ということで,チェビシェフの多項式

  T_2m(x)=(2^(2m-1))×x^2m

       +(x^kの係数は2^(k-1)の倍数,kは偶数)

        +(-1)^m

  T_(2m+1)(x)=(2^(2m))×x^(2m+1)

         +(x^kの係数は2^(k-1)の倍数,kは奇数)

          +((-1)^m)×(2m+1)x

となるのです!

私自身,これを発見したのはつい最近でした.
有名な事実なんでしょうかね?


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n倍角の公式を表す多項式(チェビシェフの多項式)の係数の秘密③

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ド・モアブルの定理と二項定理で,n倍角の公式を作るのは,けっこう有名かも知れませんが,これから内容を発展させていくなかで触れておきたいな,ということで.

  (cosθ+i sinθ)^2=cos(2θ)+i sin(2θ)

  (cosθ+i sinθ)^2=(cosθ)^2+2i sinθcosθ-(sinθ)^2

において,実部は等しいから

  cos(2θ)=(cosθ)^2-(sinθ)^2

です.(cosθ)^2+(sinθ)^2=1を利用してcosθだけの式にすると

  cos(2θ)=(cosθ)^2-{1-(cosθ)^2}=2(cosθ)^2-1

となることが分かります.だから,

  T_2(x)=2x^2-1

とおくと,

  T_2(cosθ)=cos(2θ)

となるのです.

同じことを6乗でやってみると・・・

まず,ド・モアブルの定理は

  (cosθ+i sinθ)^6=cos(6θ)+i sin(6θ)

で,二項定理は・・・

パスカルの三角形

              1
            1  1
          1  2  1
        1  3  3  1
      1  4  6  4  1
    1  5 10 10  5  1
  1  6 15 20 15  6  1

から係数が分かって,

   (cosθ+i sinθ)^6

  =(cosθ)^6+6i(sinθ)(cosθ)^5-15(sinθ)^2(cosθ)^4

   -20i(sinθ)^3(cosθ)^3+15(sinθ)^4(cosθ)^2

    +6i(sinθ)^5(cosθ)-(sinθ)^6

です.実部を比較し,(cosθ)^2+(sinθ)^2=1を用いると

   cos(6θ)

  =(cosθ)^6-15{1-(cosθ)^2}(cosθ)^4

   +15{1-(cosθ)^2}^2(cosθ)^2-{1-(cosθ)^2}^3

  =32(cosθ)^6-48(cosθ)^4+18(cosθ)^2-1

となるのです.
よって,

  T_6(x)=32x^6-48x^4+18x^2-1

です.

複素数極形式は,三角関数と直結しますね!

今回は,漸化式を使わなくても,このような方法でn倍角の公式を導ける,という話でした.

複素数との別の関係性も,また後日,お見せしますね!

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n倍角の公式を表す多項式(チェビシェフの多項式)の係数の秘密②

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漸化式&帰納法バージョン
 👇

n倍角の公式を表す多項式(チェビシェフの多項式)の係数の秘密① - yoshidanobuo’s diaryー高校数学の“思考・判断・表現力”を磨こう!ー



漸化式を使って帰納法で示すのは,連鎖的な構造が分かって気持ちいいですが,「そのもの」をスパッと考えていないから,ちょっとモヤモヤしたものも残りませんか?
僕だけ??
ということで,一般項的に一発でドーンと示す方法を考えましょう.


T_nの定数項 T_n(0)については,0=cos(π/2)だから,

  T_n(cosθ)=cos(nθ)

にθ=π/2を代入したら,直接的に考えることができます!


では,T_nのxの係数はどう考えましょうか?

実は,これも,何かに,何かを代入することで,直接考察が可能です.

何と,微分するのですね!

  f(x)=(2次以上)+ax+b

は,微分すると,

  f'(x)=(1次以上)+a

だから,f'(x)の定数項がaになります.つまり,

  a=f'(0)

です.
チェビシェフでは,T_n'(0)を考えたいのですが,それは

  T_n'(cos(π/2))

ということです.

  T_n(cosθ)=cos(nθ) …①

の両辺を,θで微分してみます(θですよ!).

左辺のT_n(cosθ)は,

  T_n(x)にx=cosθを代入

しているので,合成関数の微分です.

  d(T_n(cosθ))/dθ=T_n'(cosθ)×d(cosθ)/dθ
   =-sinθ・T_n'(cosθ)

なので,①の両辺をθで微分すると

  -sinθ・T_n'(cosθ)=-n sin(nθ)

が得られます.
これにθ=π/2を代入したらどうなるでしょうか?

  -1・T_n'(0)=-n sin(nπ/2)

 ∴ T_n'(0)=n sin(nπ/2)

よって,

 nが偶数のとき,T_n'(0)=0

 nが奇数(n=2m-1)のとき,T_(2m-1)'(0)=n×(-1)^(m-1)


予定通り,T_1,T_3,T_5,T_7,……のxの係数が

  1,-3,5,-7,9,-11,……

となることが分かりました!


帰納法よりも圧倒的に気持ちいいのは,僕だけでしょうか?
いや~,きもちいい!

今回の手法「微分&代入で係数を求める」は,大学数学のテーラー展開にもつながっていきます!

 

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n倍角の公式を表す多項式(チェビシェフの多項式)の係数の秘密①

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チェビシェフの多項式は,グラフがピタッとしているから,気持ちいいですね.
TはチェビシェフのTかと思いきや,Chebyshevがチェビシェフなので,違うんですね.
三角多項式ともいうようなので,trigonometric polynomialのTかも知れません.

 poly=多

ですね!ポリゴン,ポリエチレン,ポリノミアル.

チェビシェフの多項式(以下,T_n(x)をT_nと略記します)は,3項間漸化式

  T_0=1,T_1=x

  T_(n+2)=2x T_(n+1)-T_n

で定まるので,色んな性質を帰納法で示せます.

漸化式から,次数が1ずつ増えていくことが分かって,T_nはn次式です.
n≧1において,最高次の係数は,2倍ずつ変化していくから,T_nのx^nの係数は2^(n-1)です.

  T_1=1x

  T_2=2x^2+…

  T_3=4x^3+…

  T_4=8x^4+…

  T_5=16x^5+…

です.これで赤字部分の法則がずっと続くことが分かります!

もう少し詳しく見ていきましょう.

  T_2=2x(x)-1

  T_3=2x(2x^2-1)-x

T_(偶数)はx^(偶数)しか現れないし,T_(奇数)はx^(奇数)しか現れないことが分かります.

  T_4=8x^4-8x^2+1 👈偶数次ばかり

  T_5=16x^5-20x^3+5x 👈奇数次ばかり

だから,T_3,T_5などのT_(奇数)は定数項が現れません!

また,T_2,T_4などのT_(偶数)の定数項は,

  1,-1,1,-1,……

が交互に現れます.
漸化式の最後の部分が,「-T_n」となっているからです.

これが分かっていると,T_(奇数)のxの係数の法則が分かります.

  T_2=…-1
  T_3=…-2x-x=…-3x
  T_4=2x(…-3x)-(…-1)=…+1
  T_5=2x(…+1)-(…-3x)=…+5x

となっていくので,T_1,T_3,T_5,T_7,……のxの係数は

  1,-3,5,-7,9,-11,……

となるようです.

これで,色を付けた部分の法則が正しいことは全部分かりましたね!
他にも色々と分かることがありそうなので,またそれは次の機会に.

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無限個にも色んな無限個がある

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自然数は無数に存在します.

 1,2,3,4,5,……

自然数は序数(順番を表す数)としても使われて,数列を作るのに使われます.

 a_1=1, a_2=3, a_3=5, a_4=7,……

これは正の奇数を並べた数列です.

 1,3,5,7,……

は無限個あるのですが,上のように1つの数列として表現できるから,自然数と同じだけの“無限個”があると考えることができます.
自然数の一部が奇数ですが,“部分が全体と同数ある”という奇妙な現象が起こっています.
“無限個”は数ではないので,そういうことが起こります.
より正確に言うと,“無数っぷりが同程度”という意味なので,そんなに奇妙でもないですね.

また,整数全体を

 0,1,-1,2,-2,3,-3,……

というルールで,1つの数列として並べていくことができるので,整数全体も自然数全体と“無数っぷりが同程度”と言えますね.
実は,有理数も,自然数と“無数っぷりが同程度”なのです.

例えば,0と1の間の有理数(分母・分子が整数の分数として表せる数)について

 1/2,1/3,2/3,1/4,3/4,1/5,2/5,3/5,4/5,1/6,5/6,……

という風に,1つの数列として並べることができますからね.
もう少し複雑な構成をすれば,有理数全体を項にもつ数列を作ることができるのです.
だから,有理数の“無数っぷり”は,自然数の“無数っぷり”と同程度なのです.

自然数と同程度の無数っぷりというのは,順番をつけることができる,つまり,順に数えることができるくらいの無数っぷり,ということで,カウント可能,可付番,可算などと呼ばれます.
無数っぷり,というのも,普通は,「集合の濃度」という言葉になります.

この文脈からすると・・・最初の関数において,

 上は,順番を付けることはできるが,数え切れない

 下は,順番を付けることすらできず,数えることさえできない

とあったことから分かるように,

 無理数全体の集合は,カウント不可能

ということ!
また,0と1の間の数について考えましょう.

有理数は,分数ですが,小数としては,「有限小数」または「循環する無限小数」で表せます.

 1/2=0.5=0.499999……

 1/7=0.142857 142857 142857 ……

循環小数というとき,数の並びが最初からず~っと周期的に並ばないといけないのではなく,途中から循環していても構いません.
ということで,上の例のように有限小数循環小数で表せますから,有理数は,循環小数と思ってよいでしょう.

数を並べ続けて,周期的に循環するものだけが有理数

有理数以外を無理数というので,圧倒的に多い「循環しない小数」が全部,無理数です!
これを厳密に証明する方法は下で紹介する私の本にも書いていますから,ご興味があれば,ご覧ください.

有理数無理数も無数に存在していて,どちらも,「密」に配置されています.
ある有理数無理数]からどれだけ近いところにも,無数に多くの有理数無理数]があります.
でも,「濃度」はぜんぜん違うのです.
イメージしにくいですが,

 有理数は「密」に配置されているけれど,「濃度」としては“飛び飛び”な感じで薄い

 実数のほとんどすべてが無理数というくらい「濃密」に配置されています.

ということ.
まだ分かりにくいですよね・・・

数直線(実数全体)上で,有理数の場所に,点を配置していくと考えてみましょう.

「点に大きさはない」のだから,有理数をぜんぶを集めても長さがあるくらいにはならない(しょせんは“自然数と同程度の無数っぷり”だから).
「数えれるけど,数え切れない」というのはこの程度の無数っぷりなのです.

残った部分がぜんぶ無理数
無理数を全部集めたら,実質的に,数直線全体になっているのですね.
これが,「数えようにも数えようがない」くらいの無数っぷりです.

それくらい圧倒的に無理数が多いのです.

ついでにいうと,順番に考えることができないから,実数全体に関する命題を,「数学的帰納法」で証明するのは不可能なのですね.
つまり,

 「1個目の実数で成立」
 「k個目の実数で成立すれば,k+1個目の実数で成立」

いやいや,「“k個目”とか,考えられませんから!」ってことです.

濃度については,この本でけっこう色々書いたので,もしよければご覧ください.
 👇 

三角関数の問題と思っていたら,実は整数問題なのです!

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この計算を見て何を思いますか?

n倍角の分母は 5^n っぽいですね!
これは正しそうですか?

加法定理を使えば,数学的帰納法で示せそうです.
ですが,

  既約分数としての分母が 5^n になるのか?

というのは易しくないように思います.
いかがでしょうか?

実は,下に書いた2つの式が大事なポイントになっています.

並んでいる数を見ると,

  cos(nθ)=(5A+3)/5^n,sin(nθ)=(5B+4)/5^n

となっていそうです(A,Bは整数).
実際,加法定理で,

  cos(n+1)θ=cos(nθ)cosθ-sin(nθ)sinθ

  sin(n+1)θ=sin(nθ)cosθ+cos(nθ)sinθ

となり,

  cos(nθ)=(5A+3)/5^n,sin(nθ)=(5B+4)/5^n

であれば,

  cos(n+1)θ={3×(5A+3)-4×(5B+4)}/5^n

  sin(n+1)θ={3×(5B+4)+4(5A+3)}/5^n

である.それぞれの分子はmod 5で

  3×(5A+3)-4×(5B+4)≡9-16≡3

  3×(5B+4)+4(5A+3)≡24≡4

なので,

  cos(n+1)θ=(5C+3)/5^(n+1)

  sin(n+1)θ=(5D+4)/5^(n+1)

結局,分子を5で割った余り(3,4)は変化しないのです.
だから,分子が5の倍数になることはなく,分母の5^nが約分されることはないのです!

もっと言うと,分子が0になることはない!
つまり,θを自然数倍して得られる角度のサイン,コサインは決して0になりません!
θの自然数倍がπの整数倍にはならないのですね!

要するに,

 弧度法で言うと,θはπの有理数倍ではない

 度数法で言うと,θは有理数ではない

と分かるのですね!

 

3,4,5のピタゴラス数を生む直角三角形の鋭角は,整数°ではない!

 

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「数学する人生」岡潔著・森田真生編 ⑥ =学びについて=

「数学は情緒」

分かったようで分かっていないような・・・
ぼーっとずーっと考えていたら,きっと,よく分からないけど,ぱーっと全体が何となーく分かるのでしょう.
本シリーズの最後として,学び・理解・教育について書かれているところをまとめてみようと思います.
ちょっと長くなりそうです・・・

 

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三昧(ざんまい)=精神統一

岡の数学研究は,二年くらい関心を集め続けたら,1つの論文になるそう.
しかし,長期にわたって1つのことに関心を集め続ける(三昧)と,情緒の中心が生理的に大変疲れる.
二か月くらいは休まないといけなくなるが,それを怠ると,漱石のように早く死んでしまう.

彼の数学研究では,「ポシビリティ(可能性)」を手がかりにするそう.
それよりも漠然とした「ポシビリティのポシビリティ」=「でたらめ」を毎日1つ考える.
「でたらめ」を10集めたら,1つくらいはポシビリティであるらしい.
ポシビリティを10集めたら,1つくらいは「ファクト」つまり「事実」が見つかる.
100のでたらめを並べて1つの事実が見つかる.
これの繰り返しが研究になるそうだ.

数学の本質は,主体である「法」が客体である「法」に関心を集め続けてやめないこと.

しかし,彼の言う「法」が分かりにくい!
うわべのものではなく,何だか分からないが「ある」ものの総称?
法を集めても法だし,法が法に関心を集めるのが情緒の中心の働き.
すべては法界で1つにつながっている,という感じのことを言っているような気がします(知らんけど).

『法に精神を統一するためには,当然自分も法になっていなければならない(主宰者の位置は客体の所にあるのだから.そうすると当然「自他の別」を超え,「時空のわく」を超えることになる).そうするといわば内外二重の窓がともに開け放たれることになって,「清冷の外気」が室内にはいる.これが児童の大脳の発育にとってきわめて大切なことであって,義務教育における,数学教育の意義の第一はここにあるように思われるのである.』

さっぱり分からない!!


自分と数学がともに窓を開けて交わりあうのでしょうか?
それには関心を集め続けることが必要になる.
自分を内から制御している「主宰者」の側に立つということか?
確かに,1つの分かが積み重なって,あるときに一気に全体が繋がるような体験は(誰にでも?)あるもので,数学では特にそういう経験を起こしやすいのかも知れない.
深くわかることによって得られる一体感.
無関係と思っていたものも自分の中でつながって,よりよく思えてくる.
深さに限りがない.
そういう学びをすることができたらよいですね.
そして,児童をそのゾーンに案内できるような先生がたくさん居たらよいですね.
一般に良いとされる先生は,すぐに「合理的な方法」を「教えてしまう」人と思われてますから・・・


この具体的な説明として,小学校での教育について触れています.


『算数教育は,まだわからない問題の答,という一点に精神を凝集して,その答えがわかるまでやめないようになることを理想として教えればよいのである.答がわかるというのは,当然自分にわかるといういう意味であるから,以前のように検算はやらせた方が良い』


その発展として,分かり方を整理している.


『先生が山とか川とか木とかを教えるとき,例をもって教える.児童のこのわかり方は,「感覚的に分かる」のである.「形式的にわかる」と言ってもよい.もう少し深くわかるのは,意味がわかるのである.これを「理解する」という.しかしここにとどまったのでは,いろいろの点で不十分である.まず知的に言って,進んで「意義」がわかるまで行かなければいけない.でないと,えてして猿の人真似になってしまう.意義がわかるとは全体の中における個の位置がわかるのである.だから,全体がわからなければ何一つ本当にはわからない.このわかり方は言わば心の鏡に映るのである.』


さらに,わかり方について,次のようにも続いている.


『たとえば他の悲しみだが,これが本当にわかったら,自分も悲しくなるというのでなければならない.(中略)他の悲しみを理解した程度で同情的行為をすると,かえってその人を怒らせてしまうことが多い.軽蔑されたように感じるのである.
これに反して,他の悲しみを自分の悲しみとするわかり方であると,単にそういう人がいるということを知っただけで,その人には慰めともなれば,励ましともなる.このわかり方を道元禅師は「体取(たいしゅ)と言っている.ある一系のものをすべて体取することを,「体得」すると言うのである.
理解は自他対立的にわかるのであるが,体取は自分がそのものになることによってそのものが分かるのである.』


そして,


 聞くままにまた心なき身にしあらばおのれなりけり軒の玉水


という道元の言葉を引いている.

「見る」でなく,「聞く」である.
すべて一体であるという境地に至っていれば,軒先から垂れる水滴と自己を同一視することもできる.
はっと気づくと,我に返る.
そういう風にわかりたいのだろう.


彼が重視した「情緒」について,比較的分かりやすいところを整理して,本シリーズを締めくくりたい.


明治以前の古人は

 「四季それぞれよい」
 「時雨のよさがよくわかる」

であったのが,我々は

 「夏は愉快だが冬は陰惨である」
 「青い空は美しい」

と,他を悪いとしなければ一つをよいとできなくなっている.
刺激をだんだん強くしていかないと,慣れてしまう.

これに対し古人は,それぞれみんなよい,種類が多ければ多いほど,どれもみなますますよい,聞けば聞くほどだんだん時雨のよさがよくわかってきて深さに限りがない,こういった風である.

古人的評価の対象となり得るものが「情緒」なのである.


結局,すべてと一体化して「よいなぁ,楽しいなぁ,どこまでも」と思えたら良いのですかね.
「理解」だけして「よし,わかった」と思って終わりにせず,どんな些細なことも深められる情緒を育てましょう,と.

接しているとは??

 

 

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接しているかどうかは,以前にも書いたように,接空間で理解すべきものです.
 👇

接するって,どういうこと? - yoshidanobuo’s diaryー高校数学の“思考・判断・表現力”を磨こう!ー



単位円ではx=1,y=1が接線になることは疑いようのないことです.

上半円にy=1が接しているのも問題ないですが,x=1となると,ちょっと微妙になってきます.
片側しか考えられないですが,これは「接している」としても良いように思います.

※片側接線と言う方が良いのかも知れません.

例えば,y=|x^2-1|の(1,0)においては,

  右接線:y=2x-2

  左接線:y=-2x+2

が一致せず,接線は存在しない!


では,点線ではどうでしょう?
xが有理数のときは上半分,無理数のときは下半分という,画期的な(笑)曲線です.

y=g(x)とおくことにします.


y=1は,接しているとは言えないでしょう.
それは,

  h→0のとき,(g(h)-g(0))/h→?

と考えたら分かります.
ちなみに,g(0)=1です.0は有理数ですから!

・hが有理数のみをとって0に近づくとき
 g(h)→1で,(g(h)-g(0))/h は限りなく0に近づきます.
 (√(1-x^2)のx=0での微分係数と一致します.

・hが無理数のみをとって0に近づくとき
 g(h)→-1で,(g(h)-g(0))/h は限りなく発散します.

  h<0の左側・無理数限定の極限が+∞
  h>0の右側・無理数限定の極限が-∞

となります.


では,x=1は接線でしょうか?
これは,接線と言えるのではないかと思います!

(1,0)の周辺で,y=g(x)のグラフは上下に分かれているから,直感的なイメージでは「不連続」ですが,ε-δによる正式な定義では,「(左側)連続」になっています!

  h→-0のとき,(g(1+h)-g(1))/h→?

を考えてみると・・・
g(1)=0,g(1+h)→0です.

  有理数限定の極限が-∞
  無理数限定の極限が+∞

です.
これは,y=√(1-x^2)の上側接線も,y=-√(1-x^2)の下側接線も

  x=1

であることに対応しています.
だから,「接している」で良いのではないかと思います.

いや,最後の件は,あまり自信が無いのですけど・・・
たぶん「接している」で大丈夫だと思うんですけど.

「確証の無いことを書くなよ」とか言わないでくださいね.
誰にだって,分からないことはまだまだ沢山あるんですよ!
自分なりの「探求」は大事なんです!!


 

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相似記号(∽)のような図形の式を作ってみた

∞シリーズはお楽しみいただけましたか?
 👇

∞を1つの式で表してみた - yoshidanobuo’s diaryー高校数学の“思考・判断・表現力”を磨こう!ー



今回は,∽のような曲線を1つの式で表す企画です.
左は下半分,右は上半分(点線は気にしないでください).
各xに対して曲線上の点はただ1つだから,関数の形でも表せるはず!

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実は,3つとも∽を表しています.

(1)の√部分だけ見た

  y=√(1-(|x|-1)^2)

は2円の上半分の半円を合わせた図形.
その前に付いている部分は?

-2≦x≦2において

  [x/2]=-1(-2≦x<0のとき)

  [x/2]=0(0≦x<2のとき)

  [x/2]=1(x=2のとき)

なので,(2[x/2]+1)は,

  (2[x/2]+1)=-1(-2≦x<0のとき)

  (2[x/2]+1)=1(0≦x<2のとき)

  (2[x/2]+1)=3(x=2のとき)

です.
ただし,x=2のときは,√(1-(|x|-1)^2)=0なので,y=0となります.

これで,y軸より右側は上半分の半円,左側は下半分の半円になるわけです.


(2)a^2+b^2=0 は 「a=0 かつ b=0」という意味!
1つ目の項から得られる

  (|x|-1)^2+y^2=1

は,2円を合わせた図形(前回の(2))
後半は?

  |xy|=xy

となるのは,xy≧0 つまり,

 「x≧0かつy≧0」または「x≦0かつy≦0」

のときです.このとき,

  xy-|xy|=0

です.
これが(後半)=0を満たすということ.

それ以外のとき(xy<0)は,(後半)=2xy≠0で,この部分に図形はありません.

ということで,(2)は

  (|x|-1)^2+y^2=1 かつ xy≧0

で,∽を表すのですね.

(3)は?

  r=2|cosθ|

が2円

  (|x|-1)^2+y^2=1

を表すのでした.

 ①0≦θ<π/2のときは,x≧0,y≧0の部分
 ②π/2≦θ<πのときは,x≦0,y≧0の部分
 ③π≦θ<3π/2のときは,x≦0,y≦0の部分
 ④3π/2≦θ<2πのときはx≧0,y≦0の部分

②④を消すのに,前に(-1)^●が付いています.
●が偶数のときは2,奇数のときは0になりますね.

[2θ/π]は,

  ①のとき,0≦2θ/π<1より,[2θ/π]=0 👈偶数
  ②のとき,1≦2θ/π<2より,[2θ/π]=1 👈奇数
  ③のとき,2≦2θ/π<3より,[2θ/π]=2 👈偶数
  ④のとき,3≦2θ/π<4より,[2θ/π]=3 👈奇数

となっていて,ちゃんと∽になってます!

ガウス・絶対値,サイコー!!

 

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