yoshidanobuo’s diaryー高校数学の“思考・判断・表現力”を磨こう!ー

「大学への数学」執筆者・吉田信夫の数学探求ブログ(共通テスト系問題の研究報告)

場合分けして求めるものに関する条件の扱い

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「最小値≧6となるaの条件」を考えるのだから,aは“未知数”の扱いで,1),2),3)は“最終的”には『範囲の分割』になります.
しかし,最小値を求める段階(xを消去するとき)には,aを“文字定数”として扱い,1),2),3)は“いったん”は『答えの分類』になっています.


※「場合分け」についてはこちらもご覧ください!
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場合分けにも色々とありますね - yoshidanobuo’s diaryー高校数学の“思考・判断・表現力”を磨こう!ー



これを1つにまとめて書くと,解答は分かりにくくなるのではないか,という気がしています.
そのために,複数種類の「場合分け」つまり,「文字定数による答えの分類」と「未知数,変数の範囲の分割」を混同してしまうのではないか,と.

まとめて書くと,こんな感じでしょうか.

**************

1)0≦a≦1においては,最小値はa^2+1で,条件は

   a^2+1≧6 かつ 0≦a≦1

 これを両立するaは存在しない.

2)a<0においては,最小値は2a^2+1で,条件は

   2a^2+1≧6 かつ a<0

 前者はa≦-√(5/2),√(5/2)≦aであるから,両立するaはa≦-√(5/2).

3)a>1においては,最小値は2a^2+1で,条件は

   2a^2-2a+2≧6 かつ a>1

 前者はa≦-1,2≦aであるから,両立するaは2≦a.

1)または2)または3)から,求める条件は

   a≦-√(5/2) または 2≦a

**************

このように書くと分かりやすいのかどうかは,何とも言えませんが,やっていることを明示できているかなとは思います.

「最小値の分類」と「範囲の分割」を1つにまとめるのが一般的な書き方で,それを僕なりに書き換えたのが上の解答ですが・・・

「最小値の分類」と「範囲の分割」を分けて2部構成にするのが良いのではないかな,と思ったりしています.

※私の書籍一覧もご覧ください※
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