「場合分け」のこと,実はあんまり分かっていないかも知れません.
2つの場合分け,区別できていますか?
問.
aを実数の定数とする.
2次関数 f(x)=x^2-2ax の 0≦x≦1 における最小値を求めよ.
解.
f(x)=(x-a)^2-a^2 だから
・0≦a≦1 のとき,最小値はf(a)で,-a^2
・a<0 のとき,最小値はf(0)で,0
・1≦a のとき,最小値はf(1)で,-2a+1
これで終わり.
文字定数 a の値によって最小値の
答えが変わるときに,
「分類」して答える
というのが,ここでの場合分け.
答えが何種類あるかを分類して,どういう a のときにどの答えになるか,整理するのです.
次は,場合分けで有名な絶対値.
|x| を
|x|=±x ☚間違い!
と書いてはダメ.
・x≧0 のときは |x|=x
・x<0 のときは |x|=-x
です.
±xと書くと,各 x について,|x|の値が ±x の2つになっているという意味です.
では,この問題は?
問.
|x|+|x-1|=5を解け.
解.
・x<0 のとき,(-x)+(-x+1)=2
∴ x=-2 で,これは x<0 を満たす.
・0≦x<1 のとき,(x)+(-x+1)=2
∴ 1=-2 となり,これを満たす x は存在しない.
・2≦x のとき,(x)+(x-1)=2
∴ x=3 となり,これは 2≦x を満たす.
これで終わってはダメで,
x=-2,3
が答え.
“文字定数 a の値によって答えが変わるときに,「分類」して答える”ではないのですよね.
未知数 x を,x<0,0≦x<1,1≦x の
それぞれの範囲で探す
ということをやっています.
これを集合で見ると・・・
同じ場合分けという言い方に
文字定数で「分類」して答える
と
範囲を「分割」して考え,和集合を考える
というのがあるのです.
問題によっては,ある文字を,途中までは文字定数として考え(分類),途中から未知数・変数として考える(分割)こともあります.
「場合分け」と一言で言っても,色々あることを理解しておきたいですね.