yoshidanobuo’s diaryー高校数学の“思考・判断・表現力”を磨こう!ー

「大学への数学」執筆者・吉田信夫の数学探求ブログ(共通テスト系問題の研究報告)

2次方程式の解の公式を,3次方程式で使ったら・・・?

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色んな発想する人が居ますよね.例えば・・・

 

3次方程式 x^3-7x+6=0 の解は

 

  (x-1)(x-2)(x+3)=0

 

因数分解することで x=1,2,-3 と求まるのですが・・・

 

 x*x^2-7x+6=0 と見て,2次方程式の解の公式を使ったらどうなりますか?

 

という質問をされました(最初は何を言っているのか,わからなったです).

解の公式らしきものを使ってみると,

 

 x=(7±√(49-24x))/2x

 

です.

実際には,平方完成して式変形しているだけなので,ものと方程式の言い換えとして,間違いのないものではあります.

「解の公式」としての使い方であるかと言われたら,「違う・・・」となります.

それにしても,「何のこっちゃ?」という式ですが,

 

 x=(7+√(49-24x))/2x は x=2,-3

 x=(7-√(49-24x))/2x は x=1

 

を表しています!

 

さらに少し考えてみましょう.

 

3次方程式 x^3-7x+6=0 は3次関数

 

  y=x^3-7x+6

 

のグラフとx軸の共有点のx座標を考えていることに相当します.

 

  x*x^2-7x+6-y=0

 

と強引に見て,“解の公式”を使ってみると・・・

写真の式になります!

 

※ 分母にxがあるから,x=0だけは除かれます!

 

   y=x^3-7x+6 (x ≠ 0)

 

 を表しています.

 解の公式がa=0のときに使えなかったのと同じですね.

 この様子も,平方完成で式変形すると,よりよく分かります.

 

分母を払うと

 

  |2x^2-7|=√(49-24x+4xy)

 

となります.
これなら,x=0も考えて良いことになりますが・・・

x=0のとき,どんなyでも左辺と右辺は等しくなってしまいます.

つまり,

 

  y=x^3-7x+6 のグラフ

   と

  y軸

 

の和集合を表します.

y=x^3-7x+6だけをあんな式で表せたら良いのですけど・・・

何か方法はありますかね?