授業しているとき,生徒の言うがままに解き進めていくと,写真の問題に行き着いた.
3x/(2+x^2)の最大値は?
高2,文理両方の生徒が居る.理系は数Ⅲ既習で,数Ⅲで何でもやれるという万能感に浸る時期.
「文系がいるけども・・・」
と数Ⅲでやるかどうか.このクラスは
「微分だね」
だけで笑いをとれるのが楽.
そう言うだけ言って,計算は止めた.
[数Ⅲ微分]
y=3x/(2+x^2)
商の微分を避けて敢えて分母を払って
y(2+x^2)=3x
両辺をxで微分すると
y'(2+x^2)+y(2x)=3
∴y'=(3-2xy)/(2+x^2)
=(6-3x^2)/(2+x^2)^2
だから,x=√2,-√2で極値をもつ.
x→±∞でy→0だから,最大値はx=√2でとる.
最大値は3√2/4
☞数Ⅲで計算押しするときも,工夫はしたい!
関係式からの「陰関数の微分」はけっこう使える!
さて,この状況,いわゆる逆手流の解法が受験業界では定石なのではないかと思います.
実は,私はあんまり好きじゃないです.
だって,明示的でないから.
その解法は,「yがある値になるかどうか?」を逐一チェックする方法.
でも現実にそれをやるのは無理だから,「どういう値は取りうるか?」と見ていく.
「y=kとなるか?」と問われたら,「xに何か代入したらkになるか?」と考えたら良く,「3x/(2+x^2)=kとなるxが求まるかどうか」を調べたら良い.
本問なら,2次方程式になるから,判別式で処理できる.
[定石?]
y=kとなる実数xが存在するkの条件(それは,y=kが取りうる値であるということ)を考える.
3x/(2+x^2)=k
kx^2-3x+2k=0 ‥‥①
xの方程式①が実数解をもつようなkの条件を考える.
①は,k≠0のときは2次方程式だが,k=0のときは1次方程式である.単純に判別式で処理することはできない.
・k=0のとき,
0x^2-3x+0=0 ‥‥①
を解くとx=0で,実数xが存在するから,y=0は取りうる.
・k≠0のとき,①は2次方程式で,実数解をもつ条件は,判別式Dが0以上になること.
D=9-8k^2
だから,条件は
9-8k^2≧0 (k≠0)
∴-3/2√2≦k<0,0<k≦3/2√2
以上から,yの取りうる値の範囲は
-3/2√2≦y≦3/2√2
で,最大値は3/2√2
☞最大値だけで良いのに,取りうる値の範囲まで求まる!
その辺が無駄な気がしませんか?
ということで考えたのが,写真の2つの解法でした.
後は写真の方で見ておいてください.