2次関数などで同じような問題を解いたことはあるのではないかと思いますが,2次曲線になっても解けるでしょうか?
小難しい数学の理論を知っている子ではなくて,こういう問題にしっかり挑める子を育てたい,というのが私の思いです.
正解は,a<0,b<0,c>0,d<0です.
どう考えることを想定して作ったのか,解説してみようと思います.
※もっと良い解法があるかも知れません.
発見したら教えてください!
さて,まず,式に入っている文字の順番がむちゃくちゃですね.
普通なら,前から順にa,b,c,dとするはずなのに.
ここには出題者の意図があるはずです(出題者が言うのだから,間違いない!)
そこで,aとそれ以外に分けて見てみましょう.
a 以外の文字 b,c,d が含まれる項には y が入っています.
この特殊性に注目できると,なかなかの上級者です.
b,c,d が消えるように,y=0 を代入してみましょう.
すると図形的に何が分かるか?
x 軸との共有点の x 座標が
x^2+a=0
の2解ということが分かります.
異なる2つの実数解をもつので,【 a は負】と分かります.
次に,同じように, x=0 を代入してみると,どうでしょう?
最後の文字 d が消えてくれますね!
by^2+cy+a=0
図を見ると,これが正の2解をもつようです.
ということは,b≠0 で,解と係数の関係から
-c / b<0 ‥‥①
a / b>0 ‥‥②
と分かります.
a<0は分かっているので,②から【 b は負】と分かり,①から【 c は正】と分かります.
最後は d ですね.
謎の赤線の意味を考えてみましょうか.
では,ここで3択です.
1)x=4 を代入してみる
2)x=-4 を代入してみる
3)y=-1 を代入してみる
どれで攻めましょうか?
x^2+by^2+dxy+cy+a=0
にどれを代入したいか?
y=-1を代入すると
x^2-dx+b-c+a=0 ‥‥③
であり,b-c+a<0です.
これはなかなか大事な情報ですね!
ということで,3)で考えるのが一番楽なのではないかと思います.
(もちろん,他の選択肢で解けない,ということではありません)
③は,x<-4と0<x<4に解をもつので,2解の和は,「負」になりそうです.
ということは・・・
解と係数の関係から,
d<0
と分かります.【 d は負】です.
どうでしょう?
2次関数でやっていたのと随分違う問題になってしまいましたね.
でも,使った考え方は,2次方程式の範囲のものばかりでした.
簡単な手法だけを使って,思わぬ問題が解けてしまう.
こういう経験を積んでいくことで,「知っている道具だけで勝負できるはずだ!」という強い信念をもってもらいたいな,と思います.