2次関数などで同じような問題を解いたことはあるのではないかと思いますが,3次関数になっても解けるでしょうか?
前回も同じようなセリフを書いたような(笑)
「漸近線に注目したら,d もすぐに分かる」という別解をいただき,悔しいので同じような問題でリベンジです.
絶対に赤い線を利用させたい!
ということで・・・
正解は,【a>0,b<0,c<0,d>0】です.
bが一番難しいと思っています.
どう考えることを想定して作ったのか,解説してみようと思います.
※もっと良い解法があるかも知れません.
発見したら教えてください!
a はグラフの向きに対応するので,a>0です.
理由をしっかり説明するには,
・x→∞のときy→∞だから
・導関数の符号変化が正,負,正だから
などでしょう.
次に d にいってみましょう.
y=f(x)とおくと,
d=f(0)>2(赤線:y=2よりも上)
だから,d>0です.
次は c へ.
f'(x)=3ax^2+2bx+cだから,c=f'(0)です.
図で,x=0 における接線の傾きが負だから,c<0です.
さあ,最後の b です.
どんなことが考えられるでしょう?
f'(x)=3ax^2+2bx+cで見ると,
・軸がx=-b / 2a となることを利用
・極値をとる x の値の和が-2b / 3a (解と係数の関係)
いずれも,変曲点の位置を考えることに対応します.
「極値をとるxがどっち寄りか?」という情報は,図から読み取れない,というスタンスで行きましょう!
ということで,f(x)=ax^3+bx^2+cx+dで見ることに.
①赤い横線との交点を考えてみましょう!
f(x)=2 つまり ax^3+bx^2+cx+d-2=0
の3つの解は,
x=-2,2,正の数
だから,3つの和は正です!
解と係数の関係から
-b / a>0 ∴ b<0
②y=d と y=f(x) を連立すると
ax^3+bx^2+cx=0
で,交点の x 座標は,
x=0 と ax^2+bx+c=0 の2解
です.後者をα,β(α<β)とおいてみると・・・
解と係数の関係から
α+β=-b / a
そして,図のように,α<0<βです.
よく見ると,
-2<α<0 ,2<β
となっていて,
α+β>0
よって,-b / a>0より,b<0です.
簡単な手法だけを使って,思わぬ問題が解けてしまう.
こういう経験を積んでいくことで,「知っている道具だけで勝負できるはずだ!」という強い信念をもってもらいたいな,と思います.
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