唐突ながら,
“極限”+“不等式”=“ハサミウチ”
ですね!
さて,もともと,「式だけで漸近線を求める」という課題でしたから,
「図より,漸近線は 3x+3y+1=0 である」
というのは,今回は避けることにします.
ちなみに,k の範囲は
1)曲線の式に,x+y=kを代入して,xy を k の式で
2)その際,k≠-1 / 3 が確定
3)x,y を解にもつ2次方程式が実数解をもつ条件(判別式≧0)
として求めることができますね.
さて,そうして得られた
-1 / 3 < k ≦ 2
の意味を考えることにしましょう.
k=2のときの直線 x+y=2 は,ひょっこりの頂点(1,1)を通るもので,ちょうど接しているようです.
k=2以外の k の値については,(x,y)が2つずつ求まります.
そして,
k=-1 / 3 のときの直線にどこまでも近づいていきそうだ
となるのです.
でも,図が分かっている前提で議論しているようになるのと,極限を使って論証したいというのと,2つの意図があるので,この不等式を
「極限」
に活かしてみようと思います.
x^3+y^3-xy-1=0
において,
①x→+∞のときにy→-∞になるのか?
②x→+∞のときに y / x が収束するのか?
が宿題なのでした(どんな x に対しても y が存在することは確認済).
実は,もう宿題は終わったも同然です!
x^3+y^3-xy-1=0において,
-1 / 3 < x+y ≦ 2
が成り立ちます.
① y ≦ 2-x ,x → +∞
だから,y→-∞
② x → +∞の極限を考えるからx>0として良く,
-1 / 3x < 1+(y / x) ≦ 2 / x
∴ -1-1 / 3x < y / x ≦-1+ 2 / x
で,(-1-1 / 3x) → -1,(-1+ 2 / x) → -1なので,
y / x → -1
ということで,宿題2つは解決しましたね!
-1 / 3 < x+y ≦ 2
から直接的に漸近線が求まったとも思えますが,極限を求めるのに不等式を使ったのが,ちょっと良いですよね.
おかげで,厳密に漸近線を考えることができました!