空間ベクトルによる点の表現の理解を少しでも深めてもらえたらと思います.
重心を使ったアプローチです.
「係数の和=1」の意味も合わせて確認していただければと思います.
左上の図のように,四面体の4頂点にそれぞれ13,4,4,4の重りを置きます.
合わせて25の重さです.
これが1か所に集まって25の重り1個にするなら,どこに置くべきか?
その場所を重心と言います.
その点Xはベクトルを用いて,図のように表すことができます.
このXの面白いところは,「いくつかの重りの重心を先に考えておいて,あとで合体しても同じ重心になる」ということ.
線分の両端に重りをおくと,重心は内分点.
三角形の頂点に“同じ重さ”の重りを置くと,重心は,三角形の重心.
(右上の図)
A,B,Cにある重りを集めると,三角形ABCの重心Gに12の重りがあることなります.線分OGを12:13に内分する点がXです(13:12ではありません!).
(左下の図)
O,Aにある重りを集めると,線分OAを4:13に内分する点Dに17の重りがあることになります.
だから,重心Xは,平面BCD上にあることが分かります!
「平面BCDと直線OGの交点がXである」と言えるわけです.
ちなみに,図にはないですが,BCの中点Mに8の重りがあることにして,「線分DMを8:17に内分する点がXである」とも言えます.
(右下の図)
最後はちょっと変わった考え方です.
Oにある重りを,1,8,4に分けて,それぞれA,B,Cの重りと合体させます.
すると,各辺の内分点に5,12,8の重りがあることになります.
「これらの3点P,Q,Rを通る平面上にXがある」とも言えるのです.
それぞれをベクトルで表現したものと比較してみてください.
分点の位置ベクトルの「係数の和が1になる」ようになっていますね.
これで,線分上・平面上にあることを表現できています.
定性的なアプローチとして,なかなか面白いですね!