楕円のことを,円を使って考えたい.
誰もが考えることですが,1次変換が高校数学にない今,何かよい考え方はないものか?と考えたわけです.
【円と直線の2交点をつなぐ線分の中点の軌跡①
~直線が平行に動くとき~】
円の中心と線分の中点をつなぐ直線が不変(弦の二等分線が中心を通るから)
この直線のうち,円の内部に入るところが軌跡.
接するときの接点2つをつなぐ線分(両端を除く)と見ても良い.
【円と直線の2交点をつなぐ線分の中点の軌跡②
~直線が定点を通るとき~】
弦の二等分線が中心を通るから,円の中心と定点をつなぐと,直角三角形.
円の中心と定点をつなぐ線分が直径の両端になる円のうち,元の円の内部に入るところが軌跡.
ここまでは,図形的な性質から,式を使わずに確認できます!
これを楕円でやったらどうなるでしょう?
【楕円と直線の2交点をつなぐ線分の中点の軌跡①
~直線が平行に動くとき~】
答えは,接するときの接点2つをつなぐ線分(両端を除く).
【楕円と直線の2交点をつなぐ線分の中点の軌跡②
~直線が定点を通るとき~】
答えは,楕円の中心と定点を通る楕円(中点が楕円の中心)のうち,元の円の内部に入るところが軌跡.
しかし,これでは,1つに決まらないですね・・・
結論は,元と相似で,同じ向きの楕円,です!
さて,楕円での軌跡はどう考えたら良いでしょう?
座標平面で,方程式を置いて,解と係数の関係を使って・・・
もちろん,それでまったく問題ないです.
でも,今回は,定性的にいこうと思います!
そのために考えたのが,「円柱の利用」です.
(実質的には1次変換と同じです)
円柱を平面で切ると,断面は楕円です.
長半径a,短半径bの楕円は,どうやって切り出せるでしょう?
底面が半径bの円柱を,角度θ(ただし,cosθ=b/a)だけ傾いた平面で切ると良いですね.
直線が動いて,【楕円】との2交点をつなぐ線分の中点を考えると,どうなるでしょうか?
それを底面に正射影すると・・・
直線が動いて,底面の【円】との2交点をつなぐ線分の中点を考えることになります!
それを断面に戻すとよいのですね.
①では,円のときの,接点をつなぐ線分がそのまま楕円でも再現されます.
②では,円のときの,中心と定点を直径の両端にもつ円が,楕円になって再現されます.
その際,持ち上がり方を見ると,長半径と短半径の比はa:bで,しかも,それらは,切断面の楕円と平行になります!
長さが維持される方向(短半径),長さが最大に伸びる方向(長半径)が決まっているからです!
あまり読みやすくならなかったかも・・・