yoshidanobuo’s diaryー高校数学の“思考・判断・表現力”を磨こう!ー

「大学への数学」執筆者・吉田信夫の数学探求ブログ(共通テスト系問題の研究報告)

統計なんて数学じゃない,と思っている方へ

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これからの高校数学関係者,統計のできる人がこれから生き残れる人になるはず!
純粋に「統計」ができるというだけではなく,「他分野との融合」もできる人です.

融合の最も基本的なものは,数列の和の計算でしょう.
何らか確率変数の期待値や分散と「解釈」できる和は,統計量として「別公式」で計算できることもあるのです.

その際によく使うのがベルヌーイ分布(0と1の値をとる確率変数).


上記のあることとは・・・

 

k=1,2,3,‥‥‥,n-1について

  X_k=1(k回目までずっと表が出たとき)

  X_k=0(上以外のとき)

と定めると,Xとどんな関係があるでしょう?

例えば,

  表,表,表,表,裏,‥‥‥

となるとき,

  X=5

ですが,

  X_1=X_2=X_3=X_4=1,

  X_5=X_6=‥‥‥=X_n=0

で,

  X=1+X_1+X_2+‥‥‥+X_n ‥‥‥①

となっています.

n回連続で表が出るときの

  X=n+1

も,

  1+X_1+X_2+‥‥‥+X_n=n+1

となって,ちゃんと①を満たしています!

 

期待値の和の法則から

  E(X)=1+E(X_1)+E(X_2)+‥‥‥+E(X_n)

となるのです.

 

さあ,あともう少しです.

各X_kの期待値は,

  E(X_k)=1×(1/2)^n+0=(1/2)^n

なので,上記のようになるのですね.

「統計も悪くないかな?」と思ってもらえたら幸いです.

そんな方には,この本がオススメ(結局,宣伝)

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