yoshidanobuo’s diaryー高校数学の“思考・判断・表現力”を磨こう!ー

「大学への数学」執筆者・吉田信夫の数学探求ブログ(共通テスト系問題の研究報告)

漸化式から一般項を求めることに関して

f:id:phi_math:20200822123147p:plain

          ☝

    【 レ ア 解 法 ? 】

 

階差数列の一般項を求めたのに,Σしないとか,カッコよくないですか?

1つの数列を決める漸化式は1つではなく,漸化式2つがあれば,連立して一般項を求めることができる.

この視点は,けっこう優れていますよね.

 

さて,漸化式の指導について.

 

「こうやったら上手くいくねん」とか
「こういう背景があってな・・・」とか
教える先生によって,内容がなかり違うのではないかと思います.

私は拘りがないので,算数的なことを多くやっている気がします.

しかし,いくつか並べた状態で法則を見抜いて一般項を求めても
「君が見つけたという法則は,本当にずっと続くの?」と聞かれたら
「・・・」と言葉に詰まってしまいます.

いやいや,我々には数学的帰納法が付いています!
だから,算数的だって良いじゃない,というのが私の考えです.


上の解答を見ていると,

「階差数列」が「等比数列」になる数列は,「等比数列に何か足したり引いたりしたものになりそうだ」

と感じることができます.
そういう感覚も大事な気がします.

“式変形”で漸化式から一般項を求めることが美徳とされがちですが,大人になって役に立つのは,法則から感覚的にとらえ,その正当性を証明する姿勢の方なのかな,と思うわけです.

数学“を”教えるのか,数学“で”教えるのか,の違いかも知れません.


と言いつつ,次のような流れは楽しいですね.

 

 1,3,7,15,31,‥‥‥

のそれぞれに1を足してごらんよ.

何か気づくでしょ?

 2,4,8,16,32,‥‥‥

次はいくつ?

この法則はずっと続く?

それを式変形で言うと?

  

「解答を書くときは,絶対に式変形でやらないといけないのか?」と常に思っています.

だって毎回,特性解を求めて,わざわざ等比型を作って,・・・とか,メンドクサイですもん.

並べりゃ分かるやん!?