※問題はお手元にあるという想定です!
『総評と凡例』
高度な知識があれば一瞬で解ける問題が多い
(第1問〔1〕,〔2〕,第2問,第5問)
→知識で解く方針での指導に偏らないように注意したい!
選択式の問題が多く,計算量が恐ろしく少ない
→グラフや大小関係を選ばせるなど,定性的な数学の要素が強い
知識・技能は,ストレートに問われる形式が多い一方,典型解法で解く問題は非常に少ない.
→基本知識を自由自在に活用できることが重視されていることは間違いない!
知識技能で半分くらいの配点,加えて選択式の問題が多いため,平均点は高くなると思われる.
“ ” =思考・判断力
【 】=確定ポイント
定性的数学度:
☆☆☆☆☆=定量的に解くだけの数学らしい問題
★☆☆☆☆=計算ベースの旧来型の問題
★★☆☆☆=旧来型より思考要素が強い問題
★★★☆☆=計算要素が少なく,共通テストらしい問題
★★★★☆=ほぼ計算ゼロで,共通テストらしい問題
★★★★★=計算ゼロで,もはや数学とは言えない問題
第1問
〔1〕(定性的数学度:★☆☆☆☆)
(1)合成して最大値
(2)そのままの最大値
文字入りでコサインの合成(やや不慣れでも「加法定理」の使用指示に従う)
文字pによる場合分け→選択式なので,選べる
〔2〕(定性的数学度:★★★☆☆)
(1)指数,対数の計算
(2)正しい恒等式の選択→グラフの対称性
→いくつか代入して成り立つことが「必要」だが,この形式なら
「十分」は不要
(3)会話による発展→重要な着眼点(“答えは1つ”と分かるので,【必要条件】で1つを特定)
→「βに何か具体的な値を代入」「(1),(2)を利用」というヒント
から,β=0を代入してみようと感じ取る
β=αや-αでも良いが,具体的な値とは言いにくいか・・・
→「[ネ]以外の三つは不成立,[ネ]のみ成立」という文の並び順から,
NGを3つ探す“方針決定”
第2問(定性的数学度:★★★★☆)
(1)多項式の1次以下の部分が接線を表す(知る人ぞ知る事実)ことへの“気づき”を与える流れ
→気づきを促すよう過度なほど繰り返し問う
ただし,理由の考察を行っていない!
(会話で事実を伝える形式は“真である保証”だが,ここは,
法則に気付くだけでよく“数学的でない帰納→演繹”で算数的)
差がax^2になることを利用した,簡単な積分計算(文字が少し煩雑)
正比例になることを確認して,そのグラフを選ぶ(中学生レベル)
(2)(1)で確認した法則が3次式でも使えることを繰り返し確認(あまりにくどい)
差がax^3+bx^2で,【因数分解,a・bの符号】だけからグラフが決まる(【微分は不要】)
→2次関数も平方完成不要,因数分解から最大値,のストーリーだった
(グラフの定性的な捉え方!)
その後に,x軸との交点をきいている(前の設問は,微分でグラフを描か
せる想定か?)しかし,その後,改めて,極値をとるxをきいている
(どういう想定なのか,分からない・・・)
第3問(定性的数学度:★★★☆☆)
(1)二項分布
(2)正規分布表,確率の大小比較
(p_4を求めずに,【Xの不等式】から特定可能!)
(3)信頼区間だが,直接求めなくても良い
(両端の和=平均×2,両端の差=範囲の幅)
得られる区間の意味,実際の平均との関係に関する理解度が問う
→【統計の意味】を答えるもので,計算では解けない
(4)別標本の意味,大小関係を選択
→【統計の意味】を答えるもので,計算では解けない
(5)別標本での信頼区間の意味,大小関係を選択
→【統計の意味】を答えるもので,計算では解けない
第4問(定性的数学度:★★☆☆☆)
(1)等差数列,等比数列,漸化式の変換,nに関する恒等式
→恒等式部分は,実際には答えはオープンで,数学的思考は不要(読解)
(2)和の公式
(3)①と似た漸化式で式変形(正であるという事実は,(1)末尾で述べ
られている)
【得られた漸化式の意味】から,数列の性質のみを特定(一般項は求めない)
(4)①と似た漸化式(文字入り)で式変形
漸化式が0<公比<1の等比数列を定めるための必要十分条件
(数ⅠAで「集合と命題」の出題ナシ)
→一般項を求めないため,後味の悪い感じが残る
第5問(定性的数学度:★★☆☆☆)
(1)正五角形の性質,aをできるだけ残して計算したい
→aを求める部分は,やってくれている(“鵜呑み”にする)
(2)正十二面体(正五角形の性質)
|A_1A_2|^2の意味(対角線の長さの2乗,鵜呑みにしたaの利用)
|A_1A_2|^2の前の|OA_2-OA_1|^2は前設問では邪魔だが,ここで活用(内積の展開)
対称性の利用を既知の値を使った式で与える→計算はaをできるだけ残して
分かったベクトルの情報を,図形の言葉に翻訳(かなり多くの情報が本文で
与えられている)
拙著のタイトル:
ほぼ計算不要の思考力・判断力・表現力トレーニング 数学ⅠA
ちょっと計算も必要な思考力・判断力・表現力トレーニング 数学Ⅱ
に沿ったテストになってくれました!
(実際はⅠAがちょっと必要,ⅡBがほぼ不要でしたが)
まだお手にされていない方は,ぜひ,こちらから.
(数学B,数学Ⅲも作成中です.しばらくお待ちください!)
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