|x|≦1かつ|y|≦1かつ|z|≦1
と書けば立方体を表すわけですが,ぜんぜん楽しくないですね.
例えば,
|x-1|+|x+1|=2 ……①
は,-1≦x≦1を表す(後述)のですから,これを利用してしまえばよいのです.
{|x-1|+|x+1|-2}^2+{|y-1|+|y+1|-2}^2+{|z-1|+|z+1|-2}^2=0
は立方体です.なぜなら,0以上の3数の和が0なのだから,すべて0となり,
|x-1|+|x+1|=2 かつ |y-1|+|y+1|=2 かつ |z-1|+|z+1|=2
∴ -1≦x≦1 かつ -1≦y≦1 かつ -1≦z≦1
を表しているからです.
<①の補足>
①は,x<-1においては
-x+1-x-1=2 つまり x=-1
で不成立.同様にしてx>1でも不成立.-1≦x≦1においては
-x+1+x+1=2 つまり 2=2
で,すべてのxで成立.それゆえ,①は-1≦x≦1と同じ意味です.
これで満足していては,私ではありません(笑)
ガウス記号
[x]=(x以下の最大の整数)
を用いても表せるのではないか,と考えたのです.いわゆる整数部分です.
実数xについて
[x]=0 ⇔ 0≦x<1
を利用します.
写真1つ目の式.
[|x|]これは,|x|の整数部分だから値は0以上.0以上の3数の和が0なので,
[|x|]=0 かつ [|y|]=0 かつ [|z|]=0
∴ 0≦|x|<1 かつ 0≦|y|<1 かつ 0≦|z|<1
つまり,
-1<x<1 かつ -1<y<1 かつ -1<z<1
立方体になりましたね.
ただし・・・
【皮ナシ】
です.表面の点は入っていません.
ガウス記号は整数部分を表しますが,y=[x]という関数はfloor関数と言います.床のfloorです.整数ごとに値を区切り,下の値にしてしまうからです.
一方で,天井関数というものもあります.ceiling関数で,それは上の値にしてしまうものです.mを任意の整数とするとき,実数xについて
ceilimg(x)=m ⇔ m-1<x≦m
⇔ -m≦-x<-m+1
⇔ floor(-x)=-m
となります.だから,
ceilimg(x)=-[-x]
です.
ceilimg(2.5)=3
-[-2.5]=-(-3)=3
これを使ってみたらどうでしょう?そうして考えたのが写真の2つ目です.
今回は2乗の和が0だから,ぜんぶ0.
実数xについて
[1-|x|]=0 ⇔ 0≦1-|x|<1
⇔ 0<|x|≦1
となります.だから,写真の式は
0<|x|≦1 かつ 0<|y|≦1 かつ 0<|z|≦1
です.立方体から,3平面x=0とy=0とz=0が除かれています.
これを例えるなら
【サイの目切り】
です!
でも・・・どうせなら完全な立方体と作りたくありませんか?
そうして考えたのが3つ目です.
けっこう面白いですよ.生徒からは絶賛してもらいました(笑)
[2(1-|x|)/3]=0
を解いてみてください!実数xについて
[2(1-|x|)/3]=0 ⇔ 0≦2(1-|x|)/3<1
⇔ 0≦2(1-|x|)<3 ⇔ 0≦1-|x| かつ 1-|x|<3/2
⇔ -1/2<|x|≦1
で,これは,0≦|x|≦1と同じ意味です!
左側を負の数にして0以上を作る.
これ,けっこう面白くないですか?
マニア向けですけど(笑)
ということで,最後が【完全なる立方体】でした.