yoshidanobuo’s diaryー高校数学の“思考・判断・表現力”を磨こう!ー

「大学への数学」執筆者・吉田信夫の数学探求ブログ(共通テスト系問題の研究報告)

ジュニア広中杯・初等幾何の問題を,初等的にやってみよう

2020年のジュニア広中杯の問題です.

 

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さて,「あること」って,何なんでしょう?
謎のヒント,「○い●ん」とは??

キーワードは相似,相似比です.
色んな解き方がありますから,考えてみてください.
ここでは,できるだけ鮮やかに解くことを目指します!

ということで,いってみましょう!

 

平行だから,次の3つの三角形

 △PAF,△BQC,△EDR

は相似で,面積の条件から相似比は2:3:4です.
これらは,△PQRとも相似です.

対応する辺の長さを

 AP=②,BQ=③,DE=④

とおくことができます.

さてここで,AF,BC,DEも延長して三角形XYZを作ると,どうなるでしょう?

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平行だから三角形PQRと相似で,しかも内接円を共有するから合同です.
さらに,平行になっているから,内心Iを中心に180°回転で移りあうことが分かります.

ということは??

EDRと△BAZは,合同!

だから,AB=DE=④で,PQ=⑨.

三角形PQRの面積は,相似比から81.

よって,六角形の面積は

  81-(4+9+16)=52


初等幾何で,回転ってかなり強力な武器なんですよね!

ヒントの「○い●ん」は,「かいてん」と「ないしん」でした(笑)

 

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