『曲線
x^3+y^3-1-xy=0
の漸近線
3x+3y+1=0
を如何にして求めるか?』シリーズの最終回です.
図を見てください.
ぽっこりカワイイ曲線は,45°回転すると,真横を向いたポッコリ曲線に変わりそうです.
では,回転はどうとらえましょう?
点P(p,q)を原点のまわりに45°回転して得られる点をQ(X,Y)とおくと,
X+Yi=(p+qi)×(1 / √2+i / √2) ‥‥(*)
です.p,qが満たす関係式
p^3+q^3-1-pq=0 ‥‥(#)
からX,Yが満たす関係式を作りたいので,(*)を
p+qi=(X+Yi)×(1 / √2-i / √2) ‥‥(*)
と変形しておくと良いでしょう.計算すると
p=(X+Y) / √2 ,q=(-X+Y) / √2
だから,(#)より,Qが満たす関係式は
{(X+Y) / √2}^3+{(-X+Y) / √2}^3
-1-(X+Y)(-X+Y) / 2=0
で,これを整理して,方程式の形(x,yの式)にすると,図の方程式が得られます.
√2 y^3-y^2+3√2x^2 y+x^2-2=0 ‥‥(%)
さて,ここからが漸近線.
まず,方程式(%)をxの2次方程式と見ることで,yの取り得る値の範囲を
-1 / 3√2< y ≦√2 ‥‥($)
と求めることができます.
($)を求めるには,
・判別式≧0
・x^2の係数≠0
を考えたらOKです.
($)のおかげで,
x→∞のとき,y / x→0
が分かります.
(%)の両辺をx^2で割ると,
√2 (y / x)^2 ×y-(y / x)^2+3√2y+1-2 / x^2=0
両辺でx→∞の極限をとると
3√2y+1=0 ∴ y=-1 / 3√2 ‥‥(&)
これが,回転後の漸近線.
予定通り,漸近線は,横線です.
では,元の曲線の漸近線は?
この横線を-45°回転したもの.
上のように軌跡の考え方を用いても良いけれど・・・
傾きが-1になることは分かっているので,どこかの“点”に注目すればよい!
(&)上の点
(0,-1 / 3√2)
を-45°回転すると・・・
(-1 / 6,-1 / 6)
この点が元の曲線の漸近線上にある.
元の曲線の漸近線は,ここを通り,傾きが-1の直線だから
y=-(x+1 / 6)-1 / 6 ∴ 3x+3y+1=0
と分かりました.
回転するのはメンドクサイけれど,回してしまうと,そのあとは比較的,処理量は少なかったですね.