yoshidanobuo’s diaryー高校数学の“思考・判断・表現力”を磨こう!ー

「大学への数学」執筆者・吉田信夫の数学探求ブログ(共通テスト系問題の研究報告)

複素数平面の問題を作ってみましたが,どうでしょう?

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苦手な人が多い複素数平面.
図形と代数の組合せという意味ではベクトルと近いですが,計算の意味をイメージするところがベクトルよりも難しいです.
ベクトルも難しいのに,それよりも難しいなんて・・・という印象なのではないかと思います.


一番の特徴は,「極形式」と「積・商」だろうと思います.
また,偏角が「一般角」であることも要注意.
ベクトルのなす角は,「向きがない」「0~π」ですが,偏角は「向きがある」「すべての実数」です.


また,共役複素数の図形的な意味も,けっこう大事です.

※本文では,zの共役複素数を「z共役」と表すことにします.


さて,本問は,まず,実数であることを示すことになっています.

zが実数であるというのを,4つの観点のそれぞれで言いかえてみると・・・


 ① 虚部=0

 ② z共役=z

 ③ 偏角=πの整数倍

 ④ 3点が同一直線上にある


また,単位円上にあるというのも,4つの観点でとらえられます.


 ① x^2+y^2=1

 ② |z|=1 つまり, z×z共役=1 ∴ z共役=1 / z

 ③ r=1

 ④ 円周上にある(そのまま・・・)


私は②が良いのではないかと考えました.
考えたいもの(Xとおく)の分母にαβγδがあるからです.

 

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解説を見るとすんなりいっているようですが,案外,難しいのではないかと思っています.

この続きとして面白い性質があるので,それはまた機会を改めて.