※問題はお手元にあるという想定です!
『総評と凡例』
計算の負担は軽減,読解の負担増,出題の意図を読み取って“論点を絞り込む”ことが重要.
会話は,“無条件で使ってよい情報の提供”“重要なヒントの提示”にのみ使われ,「議論を深める」系は無かった.
知識・技能は,ストレートに問われる形式が多い.
“ ” =思考・判断力
【 】=確定ポイント
定性的数学度:
☆☆☆☆☆=定量的に解くだけの数学らしい問題
★☆☆☆☆=計算ベースの旧来型の問題
★★☆☆☆=旧来型より思考要素が強い問題
★★★☆☆=計算要素が少なく,共通テストらしい問題
★★★★☆=ほぼ計算ゼロで,共通テストらしい問題
★★★★★=計算ゼロで,もはや数学とは言えない問題
第1問
〔1〕(定性的数学度:★★☆☆☆)
(1)2次式の因数分解
(2)解の公式,有理化,ルートの近似値
→【別】解と係数の関係,5/x=tの2次方程式で解の配置も
(3)会話(必然性はない)で,注目すべき場所だけを提示(その後の解法は自分で思考・判断)
→“論点の絞り込み”
〔2〕(定性的数学度:★★★☆☆)
(1)cos→sin,面積,sin(180-A)=sinA ☜これがこの問題で最後まで使われる
(2)正方形の面積=辺の長さの2乗,余弦定理を“連想” ☜「余弦は三平方の拡張」
(3)sin(180-A)=sinA,(1)で2つが等しかったことからの“気づき”
→具体的に数値を求めず,関係性だけを特定(“論点の絞り込み”)
(4)2辺が同じなら夾角の大小が対辺の大小(「余弦定理」のイメージ,“論点の絞り込み”)
sinが同じなら,対辺の大小が,半径の大小(「正弦定理」のイメージ,“論点の絞り込み”)
実験結果の“一般化”で,角度の情報から,半径の情報へ(“論点の絞り込み”)
第2問
〔1〕(定性的数学度:★★☆☆☆)
(1)“初見の用語の理解”
(2)【直線は2点,傾き&1点で決まる】→問題文の“情報取得”(傾き)
求めるものの認知(最大になるときのx)
【因数分解された2次関数からも最大値は求まる(対称性)】
ちょっと計算
〔2〕(定性的数学度:★★★★★)
もはや,数学ではないのでは・・・計算問題が0という,衝撃的な問題
グラフの特徴のとらえ方(端の分布,最大・最小→四分位数の順にチェック)
“ヒントの意味を把握”(合計が全体→【上下対称】)
第3問(定性的数学度:★★☆☆☆)
(1)反復試行,条件付き確率
(2)(1)から得られる重要な“気づき”を言語化
(3)(2)を会話(必然性はない)で説明.計算がメンドクサイ.
→“論点の絞り込み”に会話は使われた
(4)会話により,過度な一般化を認めさせた上で,その“演繹的活用”(真と保証があれば“鵜呑み”に!)
数値を求めるのではなく,大小を確定させるだけ(“論点の絞り込み”)
→【Aが一番小さい】が分かれば確定する!
第4問(定性的数学度:★☆☆☆☆)
整数なのに,確率のような設定(15角形の頂点を動く動点,偶奇で動きが変わる)
(1)簡単な不定方程式の特殊解(自然数は1つしかない)
→後半は不要だが,奇数の逆回転を読み落としていても,式を見たら気づけるよう配慮か?
単に,(2)へのつながりか?
(2)(1)を8倍した式だが,解は8倍ではない(軽度の“誤答系”か?)
特殊解を改めて探す手間を省くための誘導とも見える
(3)(*)の“読解”により,5x-3y=8,23,-7などを考える
→【xだけ±3すると,右辺の値が15ずつ変わる】☜改めては特殊解を求めない!
(4)全パターンを列挙するか,
5回でP_8でそこから次に到達する点で選択肢にあるのは? →P_13
第5問(定性的数学度:☆☆☆☆☆)
角の二等分線の性質,直径から90°→三平方
図が描きにくい円,「rを用いて表す」と書いておいてくれると助かる.
方べき(使う公式を明示することで,知識・技能の習熟度だけを測れるように工夫しているのか?)
内心の性質,相似
4点が同一円周上
→【両立することはない!優先的に調べるのは90°が見える方!】
“高度な言い換え”→【H,B,Qを通る円周上に,DまたはEがあるか?】
拙著のタイトル(ほぼ計算不要の思考力・判断力・表現力トレーニング 数学ⅠA)に沿ったテストになってくれました!
まだお手にされていない方は,ぜひ,こちらから.
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