yoshidanobuo’s diaryー高校数学の“思考・判断・表現力”を磨こう!ー

「大学への数学」執筆者・吉田信夫の数学探求ブログ(共通テスト系問題の研究報告)

大学入学共通テスト・思考ベースでの詳解 ===数学Ⅰ・A===

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※問題はお手元にあるという想定です!

『総評と凡例』

計算の負担は軽減,読解の負担増,出題の意図を読み取って“論点を絞り込む”ことが重要.
会話は,“無条件で使ってよい情報の提供”“重要なヒントの提示”にのみ使われ,「議論を深める」系は無かった.
知識・技能は,ストレートに問われる形式が多い.


  “  ” =思考・判断力
【 】=確定ポイント

定性的数学度:
 ☆☆☆☆☆=定量的に解くだけの数学らしい問題
 ★☆☆☆☆=計算ベースの旧来型の問題
 ★★☆☆☆=旧来型より思考要素が強い問題
 ★★★☆☆=計算要素が少なく,共通テストらしい問題
 ★★★★☆=ほぼ計算ゼロで,共通テストらしい問題
 ★★★★★=計算ゼロで,もはや数学とは言えない問題


第1問 
〔1〕(定性的数学度:★★☆☆☆)
(1)2次式の因数分解
(2)解の公式,有理化,ルートの近似値
 →【別】解と係数の関係,5/x=tの2次方程式で解の配置も
(3)会話(必然性はない)で,注目すべき場所だけを提示(その後の解法は自分で思考・判断)
 →“論点の絞り込み”

〔2〕(定性的数学度:★★★☆☆)
(1)cos→sin,面積,sin(180-A)=sinA ☜これがこの問題で最後まで使われる
(2)正方形の面積=辺の長さの2乗,余弦定理を“連想” ☜「余弦は三平方の拡張」
(3)sin(180-A)=sinA,(1)で2つが等しかったことからの“気づき”
 →具体的に数値を求めず,関係性だけを特定(“論点の絞り込み”)
(4)2辺が同じなら夾角の大小が対辺の大小(「余弦定理」のイメージ,“論点の絞り込み”)
 sinが同じなら,対辺の大小が,半径の大小(「正弦定理」のイメージ,“論点の絞り込み”)
 実験結果の“一般化”で,角度の情報から,半径の情報へ(“論点の絞り込み”)


第2問
〔1〕(定性的数学度:★★☆☆☆)
(1)“初見の用語の理解”
(2)【直線は2点,傾き&1点で決まる】→問題文の“情報取得”(傾き)
 求めるものの認知(最大になるときのx)
 【因数分解された2次関数からも最大値は求まる(対称性)】
 ちょっと計算


〔2〕(定性的数学度:★★★★★)
もはや,数学ではないのでは・・・計算問題が0という,衝撃的な問題
グラフの特徴のとらえ方(端の分布,最大・最小→四分位数の順にチェック)
“ヒントの意味を把握”(合計が全体→【上下対称】)


第3問(定性的数学度:★★☆☆☆)
(1)反復試行,条件付き確率
(2)(1)から得られる重要な“気づき”を言語化
(3)(2)を会話(必然性はない)で説明.計算がメンドクサイ.
 →“論点の絞り込み”に会話は使われた
(4)会話により,過度な一般化を認めさせた上で,その“演繹的活用”(真と保証があれば“鵜呑み”に!)
 数値を求めるのではなく,大小を確定させるだけ(“論点の絞り込み”)
 →【Aが一番小さい】が分かれば確定する!


第4問(定性的数学度:★☆☆☆☆)
整数なのに,確率のような設定(15角形の頂点を動く動点,偶奇で動きが変わる)
(1)簡単な不定方程式の特殊解(自然数は1つしかない)
 →後半は不要だが,奇数の逆回転を読み落としていても,式を見たら気づけるよう配慮か?
  単に,(2)へのつながりか?
(2)(1)を8倍した式だが,解は8倍ではない(軽度の“誤答系”か?)
 特殊解を改めて探す手間を省くための誘導とも見える
(3)(*)の“読解”により,5x-3y=8,23,-7などを考える
 →【xだけ±3すると,右辺の値が15ずつ変わる】☜改めては特殊解を求めない!
(4)全パターンを列挙するか,
 5回でP_8でそこから次に到達する点で選択肢にあるのは? →P_13


第5問(定性的数学度:☆☆☆☆☆)
角の二等分線の性質,直径から90°→三平方
図が描きにくい円,「rを用いて表す」と書いておいてくれると助かる.
方べき(使う公式を明示することで,知識・技能の習熟度だけを測れるように工夫しているのか?)
内心の性質,相似
4点が同一円周上
 →【両立することはない!優先的に調べるのは90°が見える方!】
  “高度な言い換え”→【H,B,Qを通る円周上に,DまたはEがあるか?】

拙著のタイトル(ほぼ計算不要の思考力・判断力・表現力トレーニング 数学ⅠA)に沿ったテストになってくれました!
まだお手にされていない方は,ぜひ,こちらから.
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2021年・灘中学の算数 =2日目=

灘中の算数、二日目。
問題は四谷大塚さんのところにありました.

しかし,難しいですよ.
“さんずい”に“むずかしい”で“灘”ですからね.
難し過ぎて涙を流すくらいだ,という意味かも知れません.
[1]
文字式を使わずに僕は解けません(笑)
領域を書いて、考えるものをkとおいて、共有点(ただし、格子点に限定)が存在する条件を考えましょう(笑)
本当は,できるだけ多くXを入れて考えるのだと思います.
 
[2]
mod 2のパスカルの三角形(東大やん!?)。
右下が全部偶数と見抜き、漸化式っぽく変化を追う。
※現役灘校生(高2)に解説したら,「おぉ!」って言っていました.

[3]
待望の算数。延長して相似比。しかし、計算量は、共通テストの確率と同じくらい😢

[4]
(5)を京大くらいで出しても、正答率は低いと思う。僕は正八面体での動点の移動と見た。対称性がないのに気付かない答案続出か?CD が奇数回だと、2面の間の移動で戻って来れない。これ、ムズい!
偶置換、奇置換?群論?大学の数学?
たぶん、算数では、正順と逆順で見るのだろう。
※現役灘校生(高1・2)と一緒に解く時間を作りましたが,「無理!」みたいです(笑)
 灘中受からんね,とお伝えしておきました.
 あの頃は賢かった,とみんな言います.
 正八面体と見れたのは,けっこうファインプレーだったようで,生徒から褒められました.
 算数で褒められると嬉しい(笑)

[5]
積分ですね(笑)ヒントがそうですもん。
この部分だけ積み上げたら四面体で…あとは柱で…、と頑張って、何とか算数で解ききれました😊

※これも灘校生と考えました.
 うまく分割して一瞬で解けている子もいました.
 さすが,元灘中生(いまは灘高生).

2021年・灘中学の算数 =1日目=

やっと灘中一日目の算数を解き終えた。
やはり計算ミスしてしまう😢
方程式で解けるのが多いのが最近多いような気がします。僕にはありがたい(笑)
【3】【5】【6】【7】【8】【9】はそのまま大学入試になりそうです。
【6】は面白いけれど、灘中受験生は勘で当てそう。
【7】は正当率低そう。
【9】【11】は図形での比の性質を理解できているかが問われる良問と思いました。
【12】は87年東大文系の角を削った立体。

この式,何を表しているでしょう?

 

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左辺はすべて同じです.
右辺の数値がちょっと変わると,図形はどう変わる?
かなり大胆に変化します(笑)
これらが何であるか,定性的にとらえてパッと分かれば,プロですね.
グラフ描画ソフトを使って書かせても面白いです!
なぜその図になるかを考えるのも楽しいし,勉強になるかも.

答えはまた後日.

正六角形は1つの式で表せるの?

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こんなことを考えていても役に立たないと思っていましたが,授業中の話の流れで高校1年生に発表することになりました(笑)
やってて良かった.
ということで,ブログでもご紹介.
かなり定性的なアプローチですので,想像力をもって読んでもらえたらと思います.

 

さて,あれで正六角形だと言われても,何が何だか分からないですよね.
作成の流れを紹介します.

まず,もとになる考え方は,正方形の方程式

  |x|+|y|=1

 

f:id:phi_math:20210108114054p:plain


これが正方形になる理由は次のように分割して考えたら分かります.

・x≧0,y≧0においては,x+y=1
・x≧0,y≦0においては,x-y=1
・x≦0,y≧0においては,-x+y=1
・x≦0,y≦0においては,-x-y=1

細かく見たらこうなりますが,そんなに深く考える必要はありません!
だって,絶対値記号内の符号によって適当に分割すると,得られる式は,x,yの1次式です.
つまり,何らかの線分(か直線か半直線)で構成される図形になります.
線分は,端点の2点決まれば確定します.
絶対値記号内のx,yが0になるところで分割されるから,そこが端点になります.

 x=0のとき,y=1 または y=-1
 y=0のとき,x=1 または x=-1

となるように設定しておけば,勝手にこれら4点を線分でつなぐ図形になります.
つまり,正方形になります.

これと同じように考えると,正六角形は,3本の直線

  y=(√3)x,y=-(√3)x,y=0

で分割して考えることになります.

f:id:phi_math:20210108114130p:plain


だから,とりあえず,

  |y-(√3)x|+|y+(√3)x|+|y|=1

を考えてみます.
しかし,端点が

  (±1,0),(1/2,±(√3)/2),(-1/2,±(√3)/2)

とはなりません.
適当な係数を付けることが必要になることが分かるので,

  s|y-(√3)x|+t|y+(√3)x|+u|y|=1

などとおいてみます.
対称性からs=tとなることは何となく分かりますが,気づかなくても,上記の点を代入することで,s,t,uの値を求めることができます(連立方程式の問題ですので求めてみてください).

分数があるのはイヤなので分母を払うと,あの方程式が得られるのですね.

  |x|+|y|=1

を定性的に理解していたら,それの応用として,正六角形も作ることができます.
知識として知っているだけでは,絶対に作れないと思います.

こういうのが思い通りになるのが,数学の自由性だろうと思います.
神にでもなったような気分が味わえます(笑)
しっかりイメージをもって真に理解することの重要性が少しでも伝わればな,と思います.

そういうのを普通の問題でやれるようになるためのイメージ重視のアプローチが,私の本で最重要視していることです.
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数B,数III編の完成まで,しばらくお待ちください!

続)和を求めずに,和を求める

2回連続で,禅問答のようなタイトル(笑)
求める和も同じです.
違うのは,漸化式.

a_n=n*3^(n-1) (n=1,2,3,‥‥) のとき,a_nは等差数列×等比数列なので,

 ①等差数列で割ったら,等比数列

 ②等比数列で割ったら,等差数列

です.

①からは,数列{a_n/n}が公比3の等比数列

  a_(n+1)/(n+1)=3×a_n/n

が得られて,{a_n}の漸化式にすると

  a_(n+1)=3(n+1)×a_n/n

です.これはこれとして面白いですが,今回は②で頑張ります. 

f:id:phi_math:20210101230825p:plain

 数列{a_n/3^(n-1)}が公差1の等差数列で

  a_(n+1)/3^n=a_n/3^(n-1)+1

が得られて,{a_n}の漸化式にすると

  a_(n+1)=3a_n+3^n ‥‥(*)

です.

(*)からは,

 

f:id:phi_math:20210101231744p:plain


「消える差を利用して和を求める」を漸化式で実現できるのですね!

同じようなことを別ルートでもやることができて,それが今回のネタ.

まず,(*)の3^nを消去して,別の漸化式を作ることを考えます.
項数が1つ増えて,3項間漸化式にします.

(*)のnをn+1に変えると,

  a_(n+2)=3a_(n+1)+3^(n+1)

3^(n+1)を消すために,(*)の両辺に3をかけます.

  3a_(n+1)=9a_n+3^(n+1)

2つの差をとると,3^(n+1)を消すことができて

  a_(n+2)-3a_(n+1)=3a_(n+1)-9a_n

 ∴ a_(n+2)=6a_(n+1)-9a_n ‥‥(#)

普通の漸化式の問題だったら,(#)から(*)を作ることが多いですが,一方通行だけでは,本当に分かっているとは言えないのかも知れませんね.

さて,(#)を利用して,どうやったら和が分かるか?
もちろん,差を使います.

a_nを「消える差」を使って表します.
だから,a_n以外を差にします.
まず,

  a_(n+2)-a_(n+1)=5a_(n+1)-9a_n

とできて,左辺がいい感じの差になりました.
さらに,

  a_(n+2)-a_(n+1)=5{a_(n+1)-a_n}-4a_n

と変形できるので,右辺にもいい感じの差が現れました.
残っているのはa_nだけです.だから,

  a_n=(5{a_(n+1)-a_n}-{a_(n+2)-a_(n+1)})/4

とできてしまいますね.
この状態で足していくと,どんどん消えてしまって,「末項の前半」と「初項の後半」だけ残ります.

  Σa_n=(5{a_(n+1)-a_1}-{a_(n+2)-a_2})/4

a_1=1,a_2=6なので,当てはめてみると良いのですね!

 和は,消える差を利用したら求まる

 漸化式は,一般項から逆算できる

という観点は,数列で思考・判断・表現力を重視するときに必須のものになると思います.

※補足※
差を作るための変形をしましたが,

  a_(n+2)=6a_(n+1)-9a_n ‥‥(#)

の両辺の和を直接考えることもできます.

  a_3=6a_2-9a_1

  a_4=6a_3-9a_2

  a_5=6a_4-9a_3

    :

  a_(n+2)=6a_(n+1)-9a_n

を全部足してみます.

  S_n=a_1+a_2+a_3+‥‥+a_n

を基準にして考えると,少し調整が必要で

   S_n +a_(n+2)+a_(n+1)-a_2-a_1

   =6{S_n +a_(n+1)-a_1}-9S_n

となります.ここからも

  S_n=(5{a_(n+1)-a_1}-{a_(n+2)-a_2})/4

を導くことができますね.
求めたいものを使って全体を表せないか,と考えると良いでしょう.

  a_(n+1)=3a_n+3^n ‥‥(*)

からも似たような方法で考えられますから,チャレンジしてみてください!


 階差数列を利用した前回のものも,ぜひ.

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和を求めずに,和を求める - yoshidanobuo’s diaryー高校数学の“思考・判断・表現力”を磨こう!ー

 

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和を求めずに,和を求める

禅問答のようなタイトル(笑)

等差数列×等比数列のタイプは,和を求める流れが確立されています.


a_n=n*3^(n-1) (n=1,2,3,‥‥) のとき,

    S_n=1*1+2*3+3*3^2+‥‥+n*3^(n-1)

  3S_n=  1*3+2*3^2+‥‥+(n-1)*3^(n-1)+n*3^n

で,2式の両辺の差を計算すると

  -2S_n=1+3+3^2+‥‥+*3^(n-1)-n*3^n
     = (3^n-1)/2-n*3^n

 ∴ S_n={(2n-1)3^n+}1/2

 

でも,メンドクサイ!

 

そんな人にオススメなのが,「和を求めずに和を求める」方法! 

 

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  a_(n+1)=(n+1)3^n

を代入したら,右辺にある和Σk*3^(k-1)が求まります!
もう一つの和は,等比数列の和ですからね!

※階差数列の一般項は,数を並べて求めているのではなく,
 既知の一般項でa_(n+1)-a_nを計算してます!

階差数列の中に自分自身が含まれているタイプでは,階差数列を用いて一般項を表そうとすると,自分自身の和を計算することに.
一般項が分かっているときは,自分自身が和の計算結果で表せることを利用して,和を求めることができる.

あまり経験したことのない観点ではないかと思い,紹介しました.

知っている知識・技能を,自分にとっての「基本」と言えるまでイメージを深めておくと,色んな場面で使えるし,すごい閃きのような状態が起きるかも知れません.

でもそれは,無から生まれるのではなく,イメージ化までできている「自分にとっての基本知識・技能」のおかげなのですね.
基本と言えない理解度の知識技能を増やすのか,少数の知識技能を徹底的に深く理解するのか,勉強の方針は,そのバランスをとることだろうと思います.

前者に偏る過去の苦行のような勉強法が少しずつ緩和されつつあるのが,実に喜ばしいです.
まだまだこれからですけどね.

そんな感じの数学への道しるべ.
   👇       👇

数B編の完成まで,しばらくお待ちください!

極方程式のことをよく考えてみよう

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極方程式

  r=cosθ+2

は何を表しているでしょうか?
単なる

  x=rcosθ,y=rsinθ

というパラメータ表示ですね.
極座標のときはr≧0としますが,極方程式のときはr<0も許容します.
θに偏角という図形的な意味があるのが面白いのです.

θを消去すると,x,yの方程式になります.
その際には,

  r^2=x^2+y^2,
  x=rcosθ,y=rsinθ

を用います.

  r=cosθ+2 ……①

今回はr>0なので,①の両辺にrをかけると

  r^2=rcosθ+2r

 ∴ x^2+y^2=x+2r ……②

です.残ったrを消すには

  x^2+y^2-x=2r

としてから,両辺を二乗して

  (x^2+y^2-x)^2=4(x^2+y^2) ……③

を得ます.

ところで,

  ① ⇔ ② ⇔ ③

でしょうか??

①と②については,何らかのθのときにr=0となるのであれば,同値でOKですが・・・

今回は,

  ② ⇔ ① または r=0

  ① ⇔ ② かつ r≠0

です.

二乗したら同値でないことはよくご存じかなと思います.

  ③ ⇔ ② または x^2+y^2-x=-2r

    ⇔ ② または x^2+y^2=x-2r


  ② ⇔ ③ かつ x^2+y^2-x≧0

ですね.
ということで,

  ③ ⇔ r=cosθ+2 または r=0 または r=cosθ-2

です.
r=0は,原点を表しています.

よって,③は元の極方程式とはちがう図を表しています.


では,極方程式

  r=cosθ-2

は,何を表しているのでしょう?

これが表す図形は

  (x,y)=(cosθ-2)*(cosθ,sinθ)

とパラメータ表示されます.θのところをθ-πに変えると

  (x,y)=(cos(θ-π)-2)*(cos(θ-π),sin(θ-π))

    = (-cosθ-2)*(-cosθ,-sinθ)

    = (cosθ+2)*(cosθ,sinθ)

となって,①をパラメータ表示したものと一致します!
ということは,出来上がる図形全体も等しいことがわかる.

  r=cosθ+2 ⇔ r=cosθ-2

だから,

  ③ ⇔ r=cosθ+2 または r=0

なのですね.
①の図形に原点が加わった図形です.

よって,

  ① ⇔ r=cosθ+2

    ⇔ ③ かつ r≠0

    ⇔ (x^2+y^2-x)^2=4(x^2+y^2) かつ x^2+y^2≠0

    ⇔ (x^2+y^2-x)^2/(x^2+y^2)=4

です!
最後の式は,元と同じ図形を表しているのですね!

数Ⅲでも色々と変な問題を量産中!
数Bはあと少し触ったら,出版社に初稿を送ります.
2021年中には出版したい!

数Ⅲの本を明日から書きます!
その前に,お持ちでない方は,IA・II編もどうぞ.
   👇       👇

Merry Christmath! 外接円の対称な複素方程式を贈ります

今日は12/25.
世間ではクリスマスですが,私にとってはクリスMATHです(笑)
クリスMATHプレゼントを用意していますので,お楽しみに.

そうそう,共通テストが近づき,拙著の売れ行きが好調のようです.
ありがとうございます.
お持ちでない方は,こちらからどうぞ.
   👇       👇


数Bはやっと初稿ができて,ここから編集していきます.
初年度に間に合わなかった分,実際の共通テストを踏まえて作り直せるので,これまで以上に良いモノを作りたいです!
もちろん,共通テスト対策問題集ではないので,「思考・判断・表現力」育成するための問題をたくさん作ります!
数Ⅲも作ろうと思うので,気長にお待ちください.

さて,最近凝っている外接円を式で表現する企画.
ベクトルと複素数の対比も重視しています.
先日は,複素数平面の性質を使った方程式を紹介しましたが・・・
対称性がないのがイマイチでした.

f:id:phi_math:20201225110251p:plain

何と美しい(笑)
クリスマスにピッタリの対称的な複素方程式でした.
3点を通ることを確認し,円であるということを確認できるから,外接円であることは確定しますね!
図形的な解釈はやれていません.
分かった方が居たら,教えてください!!


※外接円シリーズはこちら
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円だと分かっているので・・・ - yoshidanobuo’s diaryー高校数学の“思考・判断・表現力”を磨こう!ー

新発見!? 「“三角形の外接円”のベクトル方程式」を求める公式 - yoshidanobuo’s diaryー高校数学の“思考・判断・表現力”を磨こう!ー

外接円の複素方程式 -ベクトルと複素数での図形表示の違い- - yoshidanobuo’s diaryー高校数学の“思考・判断・表現力”を磨こう!ー

 

 

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外接円の複素方程式 -ベクトルと複素数での図形表示の違い-

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()は,確かに外接円を表しています.

 1)式の形から,円,直線,または,1点,または,∅

 2)z=α,β,γのとき()が成立

の2つから分かります.
2)から,1)は円に決まり,3点を通る円は外接円しかないので,()は外接円を表す式であるしかありません!

さて,どうやって作ったか,少し説明してみます.

まず,ベクトルと複素数の対比から.


ベクトルでは,図形的な量は内積を使って捉えます.
内積余弦定理が元になっているので,そこで考える角度には「向き」がありません.
角度も長さも面積も,すべて内積で捉えられるのが良いところ.


一方,複素数では,絶対値と偏角で捉えていきます.
2つを分断して捉えることになるから,細かく見ることが可能と言えます.
角度に「向き」を付けることができたり.
また,それらを統一するときには,共役複素数を利用することができます.

   (a+bi)*(c-di)
  =(ac+bd) + (bc-ad)i

という計算をすると,実部が内積で虚部が符号付面積になります.

  {z * (wの共役)+(zの共役) * w }/2

  |z * (wの共役)-(zの共役) * w }/2

が順に内積と面積(平行四辺形の)になります.


()は共役複素数が入った形になっているので,この辺りが作成の鍵になるはずです.
ここからが本題です.


4点が同一円周上にある条件には,円周角が等しい,があります.

f:id:phi_math:20201223093704p:plain

3点A,B,Cを通る円周上に点Pがある条件は

  Aを含む弧BC上 … ∠BAC=∠BPC(向きも等しい)

  Aを含まない弧上 … ∠BAC+∠CPB=±180°(向きも込めて)

前者は

  ∠BAC+∠CPB=0°(向きも込めて)

と言えるから,まとめることができます.

複素数で角を表示すると,向きを込めたことになるという「高校数学」のローカルルールがありますから,

  ∠βαγ+∠γzβ=180°×(整数) ……💛

となることが条件になります.

  ∠βαγ=arg{(γ-α)/(β-α)}

  ∠γzβ=arg{(β-z)/(γ-z)}

であり,

  ∠βαγ+∠γzβ=arg{{(γ-α)/(β-α)}*{(β-z)/(γ-z)}}

となります.

だから,💛は

   {(γ-α)/(β-α)}*{(β-z)/(γ-z)}が実数

と言い換えられます.

ということで,Pが円周上にあるための条件は

   {(γ-α)/(β-α)}*{(β-z)/(γ-z)}が実数 ……💛

  または

  z=β,γ

で,💛は

   {(γ-α)/(β-α)}*{(β-z)/(γ-z)}
  =({(γ-α)/(β-α)}*{(β-z)/(γ-z)}の共役複素数

と書き換えられて,分母を払うと★になるのです!


実はあまり工夫せずに作った式でした.
また機会があれば,3点を通るように設定して作った「外接円の複素方程式」も紹介してみようと思います.
お楽しみに.



※外接円シリーズはこちら
  👇

円だと分かっているので・・・ - yoshidanobuo’s diaryー高校数学の“思考・判断・表現力”を磨こう!ー

新発見!? 「“三角形の外接円”のベクトル方程式」を求める公式 - yoshidanobuo’s diaryー高校数学の“思考・判断・表現力”を磨こう!ー

 

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新発見!? 「“三角形の外接円”のベクトル方程式」を求める公式

公式の発見が止まらないです(笑)

この公式を知っていた人も,「知ってたよ」「しょうもな」とか思わないでくださいね.「やっと吉田くんも私のところまで追いついてきたか.でも,まだまだだね」くらいにしておいてください(笑)
どうぞ温かい目でご覧ください.

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以下の記事の発展です.
  👇

円だと分かっているので・・・ - yoshidanobuo’s diaryー高校数学の“思考・判断・表現力”を磨こう!ー


()の雰囲気から,P(x, y)とおいたら

  A(x^2+y^2)+Bx+Cy+D=0

という形になるはずなので,()が表す図形は

  円  直線  1点  ∅(空集合

のいずれかです.
これが大前提!

()が外接円であることを示すには??

  「()が3点A,B,Cを通る

が分かればOKです!
なぜなら,

  Aを通れば,∅ではない
    ↓
  Bも通れば,1点ではない
    ↓
  Cも通れば,直線でない
    ↓
  よって,円と分かる
    ↓
  A,B,Cを通る円は,外接円のみ!

となるからです.

P=Aを代入すると,()の左辺は

   ()の左辺
  =0+b^2(c^2+a^2-b^2)c^2+c^2(a^2+b^2-c^2)b^2
  =b^2*c^2{(c^2+a^2-b^2)+(a^2+b^2-c^2)}
  =2a^2*b^2*c^2

で,()の右辺と一致します.
つまり,P=Aは()を満たしていて,()が表す図形はAを通ることが分かりました.
同様に,P=B,P=Cを代入することで,()がB,Cを通ることが分かります

こんな公式,どうやって導いたんでしょうね?
それは秘密にしておきます(笑)
高度な数学で言うと,重心座標と関連がありそうですね.
ぜひ,その辺りを探求いただければと思います.


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円だと分かっているので・・・

問 **********************************
1辺の長さが1の正三角形ABCがある.三角形ABCの外接円の周上に点 P をとる
とき,

  AP^2+BP^2+CP^2

の値を求めよ.

************************************

f:id:phi_math:20201219102937p:plain


頑張って座標を置いて,三角関数の問題にしてみたり,色々と考えられますが,実は,認知の仕方を変えると,一瞬で分かってしまいます.

そこで,こんな問題.

f:id:phi_math:20201219102914p:plain

()の左辺は,z=αのとき,

  |0|^2+|α-β|^2+|α-γ|^2=AB^2+CA^2=1+1=2

だから,()は A を通ることが分かります.
同様に,B,Cを通ることも分かります.

しかも,()は円を表すことが“式の雰囲気”から分かる(後述)ので,
()は正三角形ABCの外接円を表しています.
外接円の複素方程式です.

()を図計量の形で書くと

  AP^2+BP^2+CP^2=2

となります.
これを満たす点Pの軌跡が,正三角形の外接円.
それは,Pは円周上を動き,かつ,円周上のすべての点に位置し得る,ということです.

だから,正三角形の外接円上のすべての点Pは

   AP^2+BP^2+CP^2=2

を満たすことが分かります.


(雰囲気の説明)
数学は式変形でしか結論が出ないわけではありません.
「認知」が大事です.
式を見て,「円」とか「放物線」とか,そういったものが分からないと,何も始まらないのです.

複素数の絶対値の2乗を含む式は,成分(座標)の式としては,

  |x+yi|^2=x^2+y^2

となって,円っぽくなります.
絶対値は「距離」を表すので,そりゃそうです.
()はこんな形を3つ足しているだけなので,P(x+yi)とおいたら,

  3(x^2+y^2)+ax+by+c=0

という形になるはずです.

  円 または 1点 または ∅


です.

  x^2+y^2=1 👈円

  x^2+y^2=0 👈1点

  x^2+y^2=-1 👈∅

()を満たす点が2コ以上あれば,円であることが確定します.
さらに,3点目が分かれば,どんな円であるかが確定します.

情報をしっかりキャッチして,“定性的”に判断することも大事なのです.
(式だけでやるのは定量的”と言えます)

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新発見!? 公式「a|cosA| / sinA」は何を求めるものでしょう?

先日,ある動画をキッカケに考えていて,こんな公式を作っちゃいました!

f:id:phi_math:20201216105622p:plain

どうでしょうか?
見たことはありますか?

もちろん,2Rを導く正弦定理を途中で使いますが,外接円とは関係ない量です.
実は,三角形ABCの垂心をHとすると,

  AH=a|cosA| / sinA

となるのです!!
外接円の直径に|cosA|をかけるだけ.
絶対値なのは,鈍角のときにcosAがマイナスになるから.

成り立ちを説明してみます.

まず,A,Bから対辺に向かって垂線AL,BKを引きます.
これらの交点が垂心Hです.

f:id:phi_math:20201216110407p:plain


90°が見つかるから,4点C,K,H,Lは同一円周上です.
方べきの定理が使えて,

  AH・AL=AK・AC ・・・①

です.
また,直角三角形ABKに注目すると,

  AK=AB×|cosA| ・・・②

  ※角Aが直角や鈍角のこともあるので,注意!

です.
さらに,直角三角形ACLに注目すると

  AL=AC×sinC ・・・③

です.

①②③から

  AH×AC×sinC=AB×AC×|cosA|

 ∴ AH=AB×|cosA| / sinC ・・・④

です.

目標が

   AH=a|cosA| / sinA

なので,かなり近づいてきましたね!
あとは,AB / sinC が a / sinA と等しいことが分かればよいのですが・・・
これは,まさに,「正弦定理」ですね!!

  AB / sinC=a / sinA ・・・⑤


④⑤より,

  AH=a|cosA| / sinA

が成立!!

なんかけっこうシンプルな式だし,ちょっと嬉しいです!!

数学には,何年やっても(自分にとっての)新発見があって,やめられないです.

***

以下,雑記.

きっとこの公式,誰かが以前に考えたことがあるものでしょう.
でも,自分にとっては新発見.
独力で見つけた公式には,その人にとっては特別な意味があります.
専門家の研究ではないのだから,過去に誰かが発見していようが,そんなことは関係ありません.
こういう喜びを生徒たちにも味わってもらいたいな,と思います.
それが探求の目指すところかな.
喜んで生徒が報告してくれたときに,「あぁ,それね,知っているよ」という反応をする先生はどうかと思いますね(笑)
先生が自分のすごさを生徒に伝えたいとしたら,そういう反応になりますが,生徒の成長をともに喜びたいなら・・・

この公式を知っていた人も,「知ってたよ」「しょうもな」とか思わないでくださいね.

「やっと吉田くんも私のところまで追いついてきたか.でも,まだまだだね」くらいにしておいてください(笑)

 

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x=0 ⇔ x=1 ⇔ x>0 ー0は1で,正の数は何でも0なのか??ー

重箱の隅の隅の隅ばかり突いていて,頭がおかしい人だと思われそうですが(笑)
定義に従って議論を進めて奇妙な結論になるからといって,感情的にそれを排除するのは良くないだろうと思います.
ということで,そんな例を紹介しています.f:id:phi_math:20201213110330p:plain

全体集合をUとして,Uの要素に関する条件pを考えます.
条件pの真理集合Pとは

  P={x∈U|xはpを満たす}

です.真理集合P,Qが等しくなる条件p,qは同値で

  p⇔q

です.
P⊂Qのとき,pを満たすxは必ずqを満たすから,

  p⇒q

が成り立ちます.

 条件pは,条件qが成り立つための十分条件
 条件qは,条件pが成り立つための必要条件

と言います.
“条件”について述べています.

“Uの要素xについての条件”とは,xにUの要素を代入すると“命題”になるもの.

“命題”とは,真偽の決まる数学的な式や文のこと.

条件に真偽はありませんが,Uのすべての要素xで成り立つような条件もあります.

条件に“すべて”や“ある”を添えると命題になることがあります.

  すべてのx∈Uについて,pが成り立つ

  pが成り立つようなx∈Uがある

正しいか正しくないか,判断できるものになるから,命題になっています.

  p⇔q

は,

  すべてのx∈Uについて,「pならばq」が成り立つ

 かつ

  すべてのx∈Uについて,「qならばp」が成り立つ

という意味です.
それを見るのに,集合という概念を用いるとスッキリするのですね.

  P⊂Q かつ Q⊂P

と言い換えられるからです.つまり,

  P=Q

ということ.

これらの議論は,すべて,事前に設定した全体集合Uの中で行っています.

  「Uの部分集合として」

が前提になっています!

  P={x∈U|xはpを満たす}

を見てください.
「Uの要素の中でpを満たすものをすべて集めた集合」となっています.

3条件:x=0,x=1,x>0について,負の数全体の集合をUとして考えると,真理集合が全部∅になるから,3つの条件は同値になります.

心情的には許しがたいですが(笑)


他には,例えば,

  U={xは実数|x≦0}

とすると,真理集合は順に

  {0},∅,∅

となり,{0}⊃∅ だから,

  x=1 ⇔ x>0 ⇒ x=0

となってしまいます.
飽くまで,

  0以下の実数xに関する条件として

ですよ!!

しかし気持ち悪いですね(笑)
論理的には正しいですが,心情的には受け入れがたくないですか?


※念のための補足※

命題として,0以下の数xについて

  x=1 ⇔ x>0
  x=1 ⇒ x=0
  x>0 ⇒ x=0

が真であると言っているだけで,実際の数の性質について述べているものではありません!

偶数は4の倍数なのか? ー心情と数学ー

先日の記事

同値記号を使って証明を書く - yoshidanobuo’s diaryー高校数学の“思考・判断・表現力”を磨こう!ー


ですが,Facebookで画像とちょっとのコメントだけ公開していました.
インスタと同内容です.

https://www.instagram.com/p/CIcZkaalsx0/


これに多くの友人がコメントをくださいました.
友人というのが躊躇われるくらいのビッグネームの方々ですけれど.

そこで思ったことがあります.

  xは実数とする.x≧3において,x^2-2x-1>0が成り立つことを示せ.

という問題で示すべきことは,

  命題「x≧3 ならば x^2-2x-1>0」が成り立つこと

なのか,

  U={xは実数 | x≧3}における条件:x^2-2x-1>0がすべてのxで成り立つこと

なのか.
私は後者のつもりでしたが,前者と思うと,先日の解答はあまりよくないものとなってしまいます.

明示しなきゃいけませんね.
ということで,こんな問題だったらどうでしょう?

これが共通テストで出たら大変な騒ぎになるでしょう.
分かっていない大人も多い分野ですから・・・
f:id:phi_math:20201212101831p:plain

私は問題として成立していると思っています.

  P={x∈U | xはpを満たす}
  Q={x∈U | xはqを満たす}

という集合について,包含関係を考えるだけですから.

(1)は普通の問題です.
P⊃Qだから,必要条件だが十分条件ではない,となります.

 

(2)はどうしましょう?
Uの部分集合としてP=QとなるようなUを探すだけです.
(私はそう思うのですけど,賛否あるかも知れません・・・)

 ⓪,①,④では,P⊃Q

 ③では,P=Q=Uで,pとqは同値

 ②,⑤では,P=Q=∅で,pとqは同値

よって,適するのは②,③,⑤

同じ意図の問題をこちらでも解説しています.
 👇

必要十分条件,本当の意味が分かっている人は限りなく少ないのかも・・・ - yoshidanobuo’s diaryー高校数学の“思考・判断・表現力”を磨こう!ー


今回,問題文を変えてみました.
全体集合を明示する方が良いかな,ということで.

ですが,心情的に許せない,という方も多いようで・・・
偶数と4の倍数は違うじゃないか,と.
教科書に書かれていることを見ると,条件が同値であるかどうかは,全体集合によって決まる相対的なものだと思うのです.

賛否,どちらもウエルカムです.
ご意見あれば,ブログかインスタ(またはFacebook)へコメントください.